『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノが影響というか、インスパイアというか、引用したって感じで公言しているのが、韓国の古典的名作『下女』。
下女とは召使いの女性のこと。
確かに、金持ちの家に貧しい人間が入り込んで家を乗っ取っていくという筋は一緒だし、
「階段」や「悪臭」というモチーフが両作品とも印象的に使ってる。
共通点は多いとは言えやはり思い出してみても
『パラサイト 半地下の家族』は凄かったなと改めて思います。
情報量も人物も多いし、映像もかっこいいし、しかもコメディとしてガンガン進む推進力もすごかった。
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『下女』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2672
動きます。堕ちます。
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アニメ版『下女』四コマ映画→https://www.youtube.com/watch?v=6220xiGfybo
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『下女』は主役が下女なので、女性映画なわけです。
格差社会も批判しているけど、
性差別に対する批判的な描き方は、現代でも古くない、今でも十分使える内容です。
1960年の映画なのに。
すごいですよ、監督キム・ギヨン。
特に若い女性に対する男(特に中年)の酷さ、がちゃんと批判的に描かれていますね。
ラストシーンが不気味。。。
突然始まるコント番組みたいな。。
あれを真っ直ぐ「若い下女には気をつけましょうね♪」って捉えてはいけない。
これだけの凄惨な人生を見せられて、
陰惨な事件を並べられても結局は
「美しくて若い女には気をつけないと!怖い怖い!」って片付けちゃう「男」と「男社会」への批判ですね。
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この映画が下女がやっぱ主役ですし、
他の登場人物もほとんど女性でしたから、女性映画なんですよ。
「男が下品な生き物だと認めたら?」というセリフもありますし。
それだけずっと女性を描いてきたけど結局「若い女には気をつけませんとなぁ!ハッハッハ!」ってのはやっぱ、
男のこういう感じを批判している、と思います。
あのアホらしいラスト。
もう、、ぜひ見て欲しい。
それまで一回も笑ってなかったある人物がもう、ニッコニコなんですよ。
キラッキラの笑顔。
こんな特異なラストなんだから、そこには痛烈なメッセージがあるはず。
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『パラサイト 半地下の家族』との違いは、下女と妻が立場が逆転するとこですね。
ほんとに家を乗っ取る。
家族の食事を作るために雇われた下女なのに
いつの間にか妻が下女の食事を作るようになる。。
下女役のイ・ウンシムの怪演もあって、ずっと面白い。
ネズミを手掴みしたり、何回も窓から侵入したり、殺鼠剤で家族を翻弄したり、、
ご本人もどれほど楽しかっただろうと思いますよ。
ラストの階段落ちが不気味だし、可哀想だし。
単なるサイコパスではなく、
這い上がる機会もないし
這い上がる意欲を持たされることもなかった下層の人間の哀しさ。。
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『下女』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2672
動きます。堕ちます。
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アニメ版『下女』四コマ映画→https://www.youtube.com/watch?v=6220xiGfybo
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ラストネタバレはコメント欄に。。