「パラサイト」がオマージュしてるってことで知った作品ですが、
シュリ以前の韓国映画自体はじめてでして、
いろいろ興味深かったです。
近年の韓国映画に見る激しさみたいなものは、
もうこの頃から連綿と受け継がれたものなんだろうな。
というより国民性の反映ということなのかもしれない。
ポンジュノだけじゃなく、
パクチャヌクやナホンジンなどに見える
性の生々しさや暴力、復讐という痛さが、
直接的な描写なしでもしっかり伝わってくる。
同じアジアで国際的に評価を受けてる是枝監督や濱口監督とは、
やはり根っこから違うってのがおもしろいなぁと思う。
ラブレターを出しただけで謹慎を喰らい、
退職して帰郷するなり自殺してしまう工女。
その葬儀から帰るなりピアノ教師に想いを伝え、
拒まれたら服を破って脅すその友人。
そしてそれを見ていながら、
まんまと誘惑してものにする下女。
もう激しすぎてクラクラするんだが、
さらに妊娠発覚からの狂気がすごい。
妊娠を知った奥さんが下女に耳打ちし、
その通りにすると言って階段から落ちる下女!
精神を病んだ下女はそのまま居座り、
奥さんの方は第三子を出産。
その間、3日間も下女に食事を与えず、
下女は毒を入れたと偽って長男を殺害。
世間体のため、お金のために警察に言わず、
結局は服毒して心中…
こういう激しさは韓国人に根ざしたものなのかしら?
こういうエキセントリックなエンターテイメントが60年前にあって、
それで「お嬢さん」とか「パラサイト」とかが生まれてるんだなと
ものすごくしっくりきた。