ミシンそば

下女のミシンそばのレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
3.8
無遠慮にドS。ここまで役者追い込む必要ある!?ってレベルで追い詰め、追い込みまくって作られた、クラシック韓国映画。
「パラサイト」があんまり好きではなく、ロージーの「召使」も未見な自分にとっては、その二作より「水の中のナイフ」を連想させられた。
どちらにせよ聞きしに勝る怪物映画。
そして、結構引いた。

序盤からおもいっきり嫌なブルジョワ家庭の嫌なとこだけ煮詰めた感じを見せつけられ、そこに夫に言い寄った女の自殺や不倫、愛憎が絡んでとにかく矜羯羅がってとにかくカオスになる。
「ここは人の住む場所じゃない」そんなセリフがあるが、本当にその通りすぎる。

当時の日本映画にも、ハリウッドのフィルムノワール映画にも出せない唯一無二性が垣間見える、韓国映画としての最初期の完成形だ。
見事なまでに誰も幸せにならず、見事なまでに誰にも感情移入しようと思えない。

ただ正直言って、あの終わり方は最低すぎた(オメェが言うなよ感が強過ぎた)。

【追記】
観終わってから調べてて気づいたけど、姉の脚を必要以上に揶揄するあのKSGK。
今やベテラン俳優のアン・ソンギ(当時8歳)だったんやね。
気付くわけねェって。