ダリオアルジェントとはまた一味違ったジャーロムービー。
エロチックサスペンスのタッチが80年代初頭のニューヨークの猥雑さと相まってなかなかの攻めた描写。
今じゃ考えられない生板ショーが新鮮。
性癖も寝取られ趣味の旦那や奥さん、拘束プレイにゲイの先生と幅広い。
タイトルにもなっている切り裂き描写がチープな部分とリアルな部分があり独特のエモさを醸し出している。
ゆっくり裂いていくシーンは思わず目を背けたくなるおぞましさ。
セクシーなシーンも切り裂きのシーンもどちらも艶かしくて監督のフェチズムの美学を感じる。
ストーリーも単純かと思わせておいて中盤から様々な要素が加わり一筋縄ではいかない。
後半あれよあれという間に怒涛の展開に驚いた。
人に薦めにくいけど傑作!
同監督のマッキラーも哀しいオチだったがこちらもそういうテイスト。
ポルノまがいの一般映画って最高。
しかし金髪美女ばかりが被害者なのは混乱する。そこが狙いか?
音楽がちょっと合ってないような力の抜けた曲調。
火サスや土曜ワイド等の2時間ドラマのルーツの様な作品で原液は今見ても濃い。
映像特典に最初の被害者の生板ショーの女性のインタビューがあったが食人族で乳房を吊られる人だった事がわかり驚愕。
身体張ってるなぁ。