半兵衛

ALIENS エイリアンズの半兵衛のレビュー・感想・評価

ALIENS エイリアンズ(2005年製作の映画)
4.1
辺鄙な土地を舞台に、UFO絡みの事件を追ってこの地にやってきたインチキオカルト番組の製作クルーがそこで人体や動物を使って実験をしていたエイリアンと遭遇し追跡してくる彼らと死闘を繰り広げるというSFとホラーをごっちゃにした傑作。チープな作りの中にホラーやSFのあるあるポイントをきちんと押さえた物語構成や、人体が次々とぐちゃぐちゃに破壊されるゴア描写に手抜かりがないのでそういう作風を期待していたお客さんを大いに楽しませることに。また『食人族』や『ブレインデッド』などといったホラー映画へのオマージュシーンもいくつかあり嬉しくなる。

登場人物が結構多いためその説明部分が結構長く途中だれ気味になるが、そうした人物描写が後半のエイリアンVS人類で大いに生かされていく展開に唸らされる。あと出てくる人は大抵欲望に忠実なアホばかりなのだが、それがかえって「誰が生き残るのか?」というホラーのパターンが通用しないことになり物語がどうなるのかわからず最後までハラハラしながら鑑賞することに。

途中すぐに殺されると思っていたお色気要因のSM嬢あがりの女優がショットガンを武器にエイリアンを殺しまくる姿がカッコよすぎてため息が出る、また最初は偏狭な奴にしか見えなかった土地の男の一人が、弓矢やショットガンをクールに使いこなしエイリアンを倒していく姿が渋い。そしてクルーに専門家として同行していたUFOマニアの青年が意外な奮闘ぶりと意地を見せつけて胸を熱くさせる。

エイリアンが本家と違い安そうな鎧を着ており、そのためか人類側の武器に呆気なく殺されていくことに。

ゴアとギャグがないまぜになった笑えるシーンが多く、個人的にお気に入りなのが大型コンバインでエイリアンを潰して殺害していくシーンとUFOマニアの青年が女性エイリアンで童貞を卒業してしまう場面。

イギリス製らしくウィットでシニカルな会話や描写が所々に入ってきてアメリカや日本とはまた違う雰囲気を出すことに。そんなイギリス流の語り口がラストのシニカルなオチへと繋がるも◎、他のホラーではこういうラストは中々ないかも。

主要な場所となるストーンヘンジは、漫画やアニメでは結構出てくるけど実写ではレアなのでは。そういう軽々しく扱ったらバチが当たりそうな神聖な場所で、フ○ックシーンを撮影したりラストでとんでもないことをしたりするスタッフの志に痺れる。
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