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不安は魂を食いつくす/不安と魂のTOTのレビュー・感想・評価

4.3
‪初老の掃除婦と移民の男、惹かれあって始まった生活が色褪せていく。
年齢と人種差別、周囲の刺すような蔑視と偏見の外圧が手の平返しの好意に変わって、不安定になった愛の結び目。
冒頭の「幸福が楽しいとは限らない」の一文がどこまでものしかかるメロドラマの傑作。‬
‪突き放したカメラ、大事件は起きずとも波打つように不安が広がる繊細な脚本、老年女性の欲望へのフラットな視線。
愛の可能性を信じて始まる物語が、不可能性に揺さぶられて終わる。
共に生きる未来への朧げな希望と恐怖。
ファスビンダーこんなのも撮るんだ。
しんみりしちゃった‬。
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