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シェーンのswansongのレビュー・感想・評価

シェーン(1953年製作の映画)
4.5
Shane, please... take care of yourself.

素晴らしい!
良い映画は何度も観てみるものですね~。

ワイオミングの美しい大自然。
南北戦争を経て、 アメリカが法治国家としての体裁を整えつつある19世紀末。
先住民から領土を略奪し、 開墾した開拓者たち。
そこに根をおろし、 自分たちの町を築こうとする入植者たち。
彼らは土地の所有権をめぐって対立を深めるが …

前半の微笑ましいホームドラマのなかで、 そういう時代背景をさらりと理解させてしまう話運びの巧さにあらためて感心しちゃいました。

ひさしぶりに観るアラン・ラッドは思いのほか体格が貧相( 失礼! )だし、 イーストウッドやマックイーンみたいに「スクリーン映え」するタイプでもない。

だけどやっぱりシェーン役は、 この人じゃなきゃ務まりませんね。

「ならず者の時代」の終焉を悟り、 一度は銃を手放して農民として生きることを夢見るものの、 簡単には生き方を変えられないスゴ腕のガンスリンガー。

誠実な農夫ジョー・スターレットとの友情、 純真な少年ジョーイに対して見せる優しさ、 そしてジョーの妻マリアンに寄せる淡い想い …

劇中決して多くを語らないシェーンだけれど、 憂いを帯びたその表情がすべてを物語っておりますね。

ジョー・スターレットを演じたヴァン・ヘフリンは、 後に「大空港」('70)で精神的に追いつめられた犯人役を熱演。
この人も上手い俳優ですね。

不気味なニタニタ笑いを顔面に貼りつけた2丁拳銃の卑劣な悪漢ウィルソンを演じたジャック・パランスの存在感も忘れられません。

ところで今回はじめて気づいたんですが、 シェーンの左手の薬指には銀の指輪が光っていますね。

流れ者のシェーンも、 かつては「命を懸けて守りたい人」と幸せな日々を過ごしていたのか …

そんなことを想像しながらこの映画を観ていると、 どうしようもなく切ない気持ちがこみあげてきます。


Desperado,
why don't you come to your senses ?

You been out ridin' fences
for so long now.

Oh you are hard one.
I know that you got your reasons.

These things that are pleasing you
can hurt you somehow ...

イーグルス 「ならず者」 より


ジェイムズ・マンゴールド監督の 「3時10分、 決断のとき」や 「ローガン」が好きな方は、 ぜひともこの傑作ウェスタンをご覧ください!

(*≧∀≦)) Call me Shane. くーっ!

2018 ー 41 Shane
2018 ー 42 The Avengers
2018 ー 43 Iron Man
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