コマミー

イングロリアス・バスターズのコマミーのレビュー・感想・評価

4.1
【くたばれナチ】  

※クエンティン・タランティーノの作品を巡る旅⑧(最終巻)

さて、8月の頭から取り上げたタランティーノの作品を巡る旅…最終章にご紹介するのは、バリバリ風刺的な"タランティーノ風ナチス映画"である本作だ。

なかなか暴力的なのは従来と変わらないが、比較的"知的な部分"が多い作品になっている本作でも、往年の戦争映画へのオマージュも数多い。
だが、この作品で驚きなのは、戦争しているシーンが比較的"少ない"事だ。ほとんどが、監督お得意の[対話シーン]が多いのだ。
それに、ここでのナチス…そして[ユダヤ人]の立場はと言うと…、これも比較的"ユダヤ人が立場が上"なのだ。ブラピ演じる[アルド中尉]率いる「イングロリアス・バスターズ」の出現によって、"動揺を隠せない"ナチス軍団が、背景に描かれてる。私はこれはナチスドイツの「モスクワ侵攻」をうまくひっくり返しているような表現に見えた。

非常に皮肉な話のように、思えてならない…。

さて、今月30日から最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開となります。ざっと振り返ってみて、タランティーノが本当に"映画のたしなみ"をよく分かってる事が分かりました。手軽に観れて…男たちが雄々しく…女が出てきて…ドンパチ騒ぎ…それを知的な面を入れながら、"エキサイティング"に表現する。

それが、彼の映画の作り方なのだなと、彼の考えている事を想像しながら妄想する僕でございました。
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