ペイン

飢餓海峡のペインのレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
4.7
「七人の侍」「東京物語」らと並び、たびたび“邦画オールタイムベスト”ならぬ企画で上位にあがる本作。

やはり良いものは良い。
文句なし名作だと思います。
特に今の30代以下の人に観て欲しい。

壮大なロケーション、ドロドロしたヒューマニズムが迸るパワフルな映像、3時間全く退屈させることのない構成の妙、卓越した俳優陣の演技力…

私ごときが言うのもあれだけれど真の映画とはこういうものだと思います。

今村昌平監督の「にっぽん昆虫記」で日本人初のヴェネチア映画祭女優賞を受賞したヒロインの左幸子の怪演ぶりには畏怖の念を感じた。←三國連太郎演じる主人公の爪でオナニーをするシーンは必見!

薄汚いことが蔓延するこの世の中で
人を信じることはかくも難しい…
本当に胸がしめつけられる。


締めにとある方のレビューを引用すると
「本作の素晴らしい点は、“もっとも人殺しをする可能性の少ない登場人物(主人公)に連続殺人を起こさせた”点にあると思う。生まれながらの貧困、流浪の人生の果てに犯罪に巻き込まれ、大金を手にする誘惑に直面し、それを手に取り善行を施す。そんな姿を描いたからこそこの作品は、今も人間の二面性を隔てる海峡となり観る人々を善悪の彼岸に立たせてくれるのである」
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