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ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦のtheocatsのレビュー・感想・評価

3.0
ネタバレ
ソ連軍侵略に必死で抵抗するフィンランド軍

本作は侵略される側の国威発揚映画のようなものなのだろう。

上映時間が3時間強と知りウゲッとなるものの気合を入れて視聴開始。
しかし、いつ果てるとも知れぬ地上戦の攻防につい意識を失いかけること数度。
立って筋トレしながら視聴継続。そしてついに停戦協定締結で銃撃が止み静寂が訪れENDとなった時、こちらもかなりの解放感を味わうこととなる。

映画の出来としては非情にオーソドックス。これがハリウッド大作なら過剰演出で鼻白むところだっただろうが、純正フィンランド映画のせいか素朴な雰囲気。そのせいで飽きるという側面があるのは否定できないながら、弱小フィンランド軍の悲哀がしみじみ伝わってくるという効果もあり。

興味深い点として戦闘の合間に塹壕でサウナの場面があったこと。しかも二度も。
さすが「サウナ立国」フィンランドといったところか。
サウナなら石を焚火で炙ればいいわけだから発汗で臭い成分排出、衛星面でも合理的と言えるだろう。最も入浴後に汚れきった服を着るときの不快感は最悪だろうが。

本作の一番の副産物はフィンランドへのソ連侵略という史実を知るきっかけとなったこと。停戦協定と言っても結局領土を分捕られているわけだし数万の戦死者も相まって小国フィンランドにとっては過酷なもの。
しかし、この抵抗がなければ戦後フィンランドはソ連共産圏に組み込まれていたかもしれないので、それらの犠牲は計り知れぬ価値があったのだなぁと私も感服しないわけにはいかった。

総評三ツ星

002010
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