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アングスト/不安の1100のネタバレレビュー・内容・結末

アングスト/不安(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公の計画性のなさや殺人の偶然性を示すように、主人公が終始忙しなく歩き回っている(車で移動している)。

殺害シーンの主人公と被害者の無様さ(老婆の口から入れ歯が飛び出る、服がめくれて下腹が出るなど)がなんとも居心地が悪い。
そして殺人には干渉しないものの、老婆が落とした入れ歯を咥えたり、トンネルで若い女性が滅多刺しにされる場面では主人公が偶然蹴り上げたボールを追いかけたりと、周囲を歩き回る犬の振る舞いには妙な異様さがある。

それまでの主人公と他者(カフェの客、被害者、通学する児童など)との見る/見られるの関係性が、最後に車のトランクを開けたことで崩壊し、フレーム内にいる人物が一人また一人と、トランクの中を無反応で見つめるようになり、全員の視線が一点に集中していくクロージング・ショットが凄まじい。

この映画の面白さの一つは、画面の中で起こる偶発的な(またはそうみえる)出来事にあると思う。
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