オーストリアで実際に起こった一家殺人事件を基に制作された映画。「公開当時、本国オーストリアを始めとしたヨーロッパ全土で上映禁止となった衝撃作」との触れ込みに誘われて鑑賞。
結論を言うと、特に衝撃的でもなく面白くもなく。後者については、それを狙って制作されたものではないので仕方がないのだが、前者については・・・"衝撃作"だったのは制作・公開された時期が大きく影響しているのではないかと思われる。事件が起こったのが1980年、そして本作が公開されたのが1983年。まだ人々の記憶に新しい惨殺事件を、犯人の狂気を主軸に犯行を生々しく描いたとなれば、まあ"衝撃作"として上映禁止となってもおかしくはないか。実際の犯行そのままを映画化したのであれば今でも"衝撃作"と言えるかもしれないが、犯行の内容は改変されている模様。（ネットで調べた限りでは、実際の犯行の方が残虐だったと予想される。）
約30年前に遠い異国の地で起こった殺人事件の記録映画的作品。映画史的には「こういう作品があって物議を醸したのか」と興味深くはあるが、作品として楽しめるかと言われると首を傾げてしまう。
