Ananas

アングスト/不安のAnanasのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
3.5
あの主人公による異常な行動とナレーションは、なぜか私にこの映画を再び見る気にさせる。自分がまともであるからこそ、まともでない彼の世界を怖いもの見たさで時々覗きたくなるのだろうか?YouTubeで見ることのできる予告編の中で「シリアルキラーに接して、なおかつ生きて帰りたいなら、この映画が最も近い体験になる」と紹介されていたが、まさにその通りだと思いました。

彼が精神鑑定医に宛てた手紙の一文にこう書いてありました。
"Ich bitte das Sie und das Gericht mir helfen werden."
この文は実は間違いを含んでいます。正しくは
"Ich bitte, dass Sie und das Gericht mir helfen werden." と書きます。コンマが書かれておらず、dassと書かれるべき所がdasになっているんですよね。これらの間違いは未就学児童やドイツ語初心者が非常によくしてしまうことで有名です(私もその経験者の1人です)。字が汚いのは言わずもがなですが、成人しているにもかかわらずこう書いてしまうのは、やはり彼が先天的に障害を持っているんだろうなぁと思わざるをえませんでした。
殺人欲求を除いたとしても根本的に彼は私たちとは違いますよね。食事を通して人間は喜びを感じますが、彼にとっては生きるために必要な最低限のエネルギーを摂取するためだけの存在であるように見えます..

理由は分かりませんが、会話シーンが所々アフレコされていますね。あと、主人公のナレーションシーンと会話シーンのアクセントが違います。ナレーションのドイツ語は標準的なのに対し、会話シーンのドイツ語はオーストリア訛りが非常に強かったです。なぜだろう?🤔
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