安堵霊タラコフスキー

稲妻の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
1.7
何故自分が成瀬作品のことをそこまで好きになれないのかをよく理解するきっかけになった作品

成瀬作品は日本の他のモノクロ時代の巨匠と比べても陰影の印象が薄く、そのため映像を見て目に焼きつくような瞬間がほとんどないから物足りなく感じてしまう

加えて長回しのシーンが少なく、もっと舞台全体を映すカットを持続させても良いだろうと思うところでも数秒で人物に切り替わってしまうから、分単位で映される画面が好きな身としてはイライラして仕方がない

しかもそのカットの切り替わりが大抵台詞きっかけであるため、話す人物を映す情報程度の役割しか映像にないようにも感じるから、味気ない印象を覚える

成瀬作品のこういう点は作風とも取れるし、むしろこういうのが好きな人もいるのだろうけど、やはり以上の点がどうしても自分の肌に合わないし、逆に当てはまらない作品の方が成瀬作品では好きな部類に入るから、つまりは成瀬らしさが自分には苦手ってことなんだろうと我ながら思う