爆裂BOX

虐殺の週末の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

虐殺の週末(1979年製作の映画)
3.0
マリーは前夫グレッグと離婚して、新しい恋人ロバートと友人達5人で人里離れた別荘にバカンスにやってくる。だが、彼らに謎の殺人鬼の影が忍び寄る…というストーリー。
1979年制作のスラッシャーホラーです。こんな作品でもDVD化してくれるWHDさんは素晴らしいですな。
内容としては別荘に遊びに来た男女がラバーマスク姿の殺人鬼に襲われるというシンプルな物で、チェーンソーが出て来たり殺人鬼が被る継ぎ接ぎしたようなデザインのマスク等「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスの影響大きく感じますが、当然ながら作品としては遠く及びません。
殺人鬼が別荘に忍び込んでくるのが映画が始まってから50分くらい経ってからというスローテンポで、それまでは別荘に来て乳繰り合う主人公達の姿が延々描かれます。主人公のマリーと妹シャーリーはフルヌードやベッドシーン幾度も披露しますが、美人ちゃあ美人だけど熟女なので誰得感ありますね。男もオッサンばかりだし。マリーは前夫と別れて新しい恋人いるけど、別荘に手伝いに来る材木屋の男マットを誘惑するような素振り見せたり欲求不満気味。納屋でマットと手を重ねて牛の乳搾りするシーンがシュチエーション的には一番エロいかも。嫉妬深く執念深い前夫グレッグの影に怯え、グレッグの幻覚見たり、ロバートとベッドにいるときもロバートにグレッグの姿重ねたりします。
地元にいる男もカップルを襲った過去を持つ孤独な男オーティスや、何処か胡散臭くスケベそうな材木屋のマットなどクセのある面々。マット役は「死霊のしたたり」の首だけ博士役でホラーファンには有名なデヴィッド・ゲイルで少し若いですね。その幼い娘役でヤンシー・バトラーが映画デビューしてます(チョイ役ですが)
キャラの中では二枚目風で喧嘩も強い調理や家事担当のニッキーがいいキャラになりそうな感じだったな。
ラバーマスク姿の殺人鬼も納屋の入り口から顔出したり、扉の影に隠れたりしてる姿何かマヌケで不気味さや怖さは感じられません。ちょこっとフーダニット物の要素も混ぜられてるので、スラッシャーというよりジャーロっぽいかな。
虐殺シーンは後半に集中してますが、首にロープ巻いて宙づりにしたり窓から落としてくず鉄の山に突き刺したりと地味な物で、惹句では「発売禁止のスプラッター」と謳ってますが、流血の一滴もありません。耳に針突き刺して脳髄まで貫通させて一撃で殺す所は必殺仕事人かと思いましたよ。シャーリーを電動ノコギリ台に拘束してからも電源が入らなくて、後から来た奴が電気のスイッチ押した後も肝心のシーンが無いので本当に死んだのかわかりませんでしたよ。スイッチが押されてしまうのか、というシーンはちょっとハラハラしたけど。
マスク取って明らかになる殺人鬼の正体も予想通り過ぎて驚きはないですね。最初の方にちょっと出ただけだから「誰?」ってなる人いそう。動機も無茶苦茶でしたな。
胡散臭くて怪しげだった奴らがヒーローみたいになる終盤の展開は結構好きですね。チェーンソーVSマチェーテの戦いはちょっと「お!」となりました。まさかアイツが止め刺すとは。冒頭のシーンが最後の方でガラリと印象変わる所も良かったな。
エロ描写や熟女のヌードなど多めで殺人鬼の登場も遅いし、スプラッターシーンも無いのであまりオススメはしないかな。この手の作品大好きな人なら暇潰しにはなる…かなぁ?