フィルムが遺失してしまった1966年イ・マニ監督の「晩秋」は韓国映画至上の最高傑作と言われている。これまでに4度リメイクされていて、本作は監督:キム・スヨン、出演:キム・ヘジャ チョン・ドンファンによる82年版。
オープニングクレジットが漢字なのはわかりやすい、この次代はまだ漢字を併用してた時代感を感じる昭和な映画。
ヒョンビン主演の「レイトオータム」を観ているので、どうしても比較してしまう。ただ、個人的には、主人公は美形でない方が良いかな。美形だと、どうしても演技やストーリーよりも見た目が目立ち、親近感が薄れてしまうから。
そこは良。
人恋しさから始まる刑務所帰りの恋物語。
見方を変えれば、「世間知らずやお人好しは落とすのは簡単です」にも見えるので、脚本的には紙一重の難しさがある。そこを役者たちが巧みに演じることで、映画として成り立っていると思う。
演技が微妙だったり、観客が少しでも不自然に感じてしまうと、ただのナンパ映画に成り下がってしまう可能性があるから。
やっていることはほぼストーカー行為で、「んなわけないやろ!」と思わせたら失敗。全体的に作りが浅く、そうした点で少し負けているかも。
ホテルで待ってるときの妄想シーンはいらんし、突拍子もない展開が多く、描写が不十分な印象。
キム・ヘジャを見てるとチョ・ヒボンに見えて、チョン・ドンファンはチョ・マルセンを思い出す。
また、1980年代の漁村の風景は、日本にも同じような景色があったので懐かしく感じ、そこは良かった。