コミヤ

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップのコミヤのレビュー・感想・評価

4.1
ロンドンを中心に活動する謎の多い覆面芸術家バンクシー。
バンクシーが監督を務めた、彼の映画を作ろうとしたティエリーという一人の男についてのドキュメンタリーという説明がややこしい映画。

アメリカに住むフランス人のティエリーは昔から自分の行動を全てビデオで記録するということが趣味。いとこでアーティストである通称“スペース・インベーダー”を撮影した事をきっかけにアートの世界にハマっていく。そんなある日謎の芸術家バンクシーに出会う。彼らに触発され自身も芸術家デビューを果たすのだが…

脚本があるんじゃないかと思うくらい展開やオチに至るまで話がよく出来てるし面白い。(元々ティエリーが流行を扱う服屋を営んでいたっていうのも伏線になってたりするのかな?)バンクシーも言うようにまずティエリーのキャラクターが面白い。彼のアホ丸出しだけど自信に満ち溢れている姿は多少ムカつく。後半は彼を思いっきり皮肉っているので見てるこっちはバカにできるけどこれを見たティエリーはどう思うのだろう?笑 様々なスタイルのアーティストを見れる事も単純に楽しい。

彼を通して芸術、ひいては流行全体を皮肉ってるように思えた。我々はメディアや流行に流されて良くもないものを良いと言ってないだろうか?そもそも良いとは何なのか?そんな教訓を教えてくれるような作品。ティエリーのアーティスト名が図らずも自分自身の皮肉になってるようで面白い。結局独自のスタイルを貫くアーティストたちが最強に見えてくる。

因みにメインテーマがめっちゃいい曲でハマってます。
コミヤ

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