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夢のチョコレート工場のno6clubのレビュー・感想・評価

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)
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こっちのがより原作に近い感じなのかな?ジョニーウォンカよりこっちのウォンカめちゃくちゃ紳士でかっこいいんだが。嫌み全く言わないし大人っぽい。ジョニーウォンカが中身子供すぎるんだな。
最初のチョコの部屋入るときさ、ウォンカよりも前を歩こうもんならサッと杖で制するやつかっこよすぎてギィ!ってなった。あくまでここは私のテリトリーだし私が主だよってハッキリ言ってる感じでよかったですね~。

お話はほぼ変わらず「欲張りは身を滅ぼす」って内容なんだけど、チャーリーとおじいちゃんもウォンカの言いつけを破る、ジョニデ版にはなかったシーンがあって驚いた。そりゃ魔が差すよね。そもそもチャーリーは拾ったお金でチョコ買ってるんだよね。家庭環境がどうだろうとどんなにいい子だろうと落ちてるお金を見つけたら善人の答えは警察に届けるだと思うんだよね。これ原作が60年代で高度経済成長期で欲しいものは手に入れてみんなどんどんお金を使ってた時代だと思うんだけど、そんなんじゃそのうち痛い目見るよ~的な警鐘作品だったのかな~と。大人は貧しい時代を知ってるけど、子供たちに今こんなに豊かなのを当たり前だと思われちゃったらそれ親のせいよ~みたいな。

根幹は「欲張りは身を滅ぼす」なんだけど、今この令和の時代に見たらまあほどほどに欲は持たないと死んじゃうよ…ってなった。チャーリーだって欲張ったし。欲張るなって言ってんじゃないの。欲張りすぎるなって言ってんの(?)。欲望で手に入れたものをどう使うか誰と分け合うかかなーと思った。
幾原邦彦監督の『さらざんまい』でも「欲望を搾り取れ、欲望を手放すな」「喪失の痛みを抱えてもなお欲望を繋ぐものだけが未来を手にできる」って何回も何回も言ってましたもん。
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