親族の策略により殺害された資産家が、実家に戻ってきた娘と交信しながら、真犯人を追い詰めていく。遺産目当ての殺人事件と超自然現象を掛け合わせている、サスペンス・ホラー。タイトルのナンバリングは嘘。
棺桶内で身体が朽ち果てると交信できなくなるため、父の霊魂が必死(とっくに死んでるけれど)になって、娘を説得しようとするところが面白い。棺桶の中で腐敗が進行していく過程も、ほとんどブラック・ジョークの領域に入っている。
フルチ流の演出では、親族の各人物がみる悪夢の描写が秀逸(ゾンビも出るぞ!)。各々が勝手にみているパッチワーク式の悪夢であり、ヒロインの捜索劇とは直接的に繋がらないところも、ある意味でフルチ流。
親族全員がヤバイということを鑑賞者側に開示しておきながら、上流階級の浅ましい人間関係、ひいては父と娘の深い絆を説いていく。何となく、晩期に入ったルチオ・フルチ自身の投影を感じさせられる。