このレビューはネタバレを含みます
[世代交代の失敗]
ロッキー(シルヴェスター・スタローン)が育てたトミー・ガン(トミー・モリソン)とすぐに敵対してしまい、リングで無く、路上で殴り合う所が、残念ながら、物語が破綻しているようだった。また、トミーがポーリー(バート・ヤング)を殴ってケガさせる所があるけれど、ボクサーが一般人を怪我させるのは犯罪では?
ロッキー・ジュニア(セイジ・スタローン)が、父であるロッキーが見てくれない不満から、家を飛び出してしまうが、迎えに行くとすぐ仲直りしてしまう。
いずれも、こうしたいという作り手側の気持ちは分かるけれど、安易過ぎて、ちょっと白けてしまう。
あれだけ慕っていたロッキーの元を、離れるトミー・ガンの苦悩は大きかっただろうし、ロッキーも現役を離れる辛さから、彼の心情を汲む冷静さが欠けていたのだろう。世代交代の難しさを物語る。
その辺のことが全く描かれておらず、そこは残念だった。むしろ、シルヴェスター・スタローンの脚本の中途半端さにそれが出ているような気がする(2023.2.12)。