垂直落下式サミング

女ガンマン・皆殺しのメロディの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.8
強盗団に、夫を殺され、凌辱され、家に火を放たれた女性が、凄腕ガンマンに弟子入りして復讐を誓う!マカロニ風英国資本西部劇。
半世紀前のセックスシンボル、ラクウェル・ウェルチのポンチョ一枚にレザーパンツが有名な作品。自慢のスタイルは隠れてしまっているが、ちゃんと入浴シーンはある。
レイプされた女性がリベンジを果たすというストーリーなのに、主演のラクエル・ウェルチはけっこうガタイがよくて強そう。旦那とかいなくても生きていけそうで、そんなに悲壮的じゃないので安心してみられた。
復讐を果たすための手段として積極的に女を武器にしていくのが逞しい。凄腕ガンマンさんも、実はちょっと何か期待して銃の手解きを授けることを了承してんじゃないの?って思っちゃうくらい。とりあえず一晩抱かれるくらいなら平気って姿勢、自身の性を武器にして生き延びてようとする精神性がタフすぎて、ここからどんどん面白くなってくる。
でも、やっぱり女の子だ。拳銃を持ち上げるだけで一苦労。まずは、それを扱えるようにと、手首を鍛えるところから入るのは妙にリアリティがあったし、しっかりと基礎から教えていく理にかなった鍛練はカンフー映画の師弟関係をみているようだった。
師匠のおじさんはよく知らない俳優。テレビドラマにでていた人らしいけど古すぎて知らない。でも、脇役たちは好きな人ばっかり。
俺たちのアーネスト・ボーグナインが、どこか憎めない強盗団のボスを好演。仲間はジャック・イーラムとストローザー・マーティン。顔相撲大会の大関たち。こんなマンガみたいな顔した人たちばっかりよく集まったな。
強盗団は常に口喧嘩をしているのでコメディ要因かと思いきや、師匠を投げナイフで倒すなどしてくる侮れない強者。最終決戦でも、なかなかにしぶとい。
ネットサーフィンしてたら、DVDのパッケージに使われてる裸ポンチョ写真の他に、三人の悪漢に囲まれてキメ顔の美女っていう素敵な一枚をみつけてしまった。スチール写真?ブロマイド?兎に角、この画像が超かっこいい。再ディスク化するのなら、ジャケットのアートワークはこっちを使ってほしいな。
ちなみに、途中に出てくる子沢山の鍛冶職人はクリストファー・リーで、黒ずくめのガンマンは『ベン・ハー』のメッサーラでお馴染みスティーヴン・ボイド。こいつらも顔相撲番付上位者である。