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エイリアン2 完全版のEyesworthのレビュー・感想・評価

エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)
4.5
【種族の存亡を賭けた母と母の戦い】

前作はリドリー・スコット監督だったが、続編の本作では、今や映画界の打てば飛ぶ飛ぶヒットメーカーの若きジェームズ・キャメロンが監督に抜擢された。

〈あらすじ〉
ノストロモ号事件唯一の生存者・二等航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)が眠るシャトルは、57年の後にようやく発見されてゲッタウェイ・ステーションに回収される。そして、エイリアンの存在と危険性を会社に訴えるリプリーを、驚愕の事実が襲う。アチェロンと名付けられたその惑星LV426は、数十家族が移り住み植民惑星となっていた。そんな中、アチェロンからの連絡が途絶え、リプリーの危惧は現実のものとなる。そこで、リプリーは音信不通となった惑星に宇宙海兵隊と共に調査に向かい、再びエイリアン達と激戦を繰り広げる…。

〈所感〉
前作は導入部と言った感じでエイリアンとの戦闘描写は必要最低限で控えめに感じたが、今作はホラー要素もあって、一体いつどこから奴らは襲ってくるんだ!?と身構えてしまう程スリルがあった。虚実入り乱れる戦闘が見ていてスカッとする。シガニー・ウィーバー演じるリプリーは並の体力、精神力ではないので(じゃないとこんな悪夢の場所に再び行こうと思うわけがない)、今回も死線を潜り抜けながらもなんとか上手いこと生き残るんだろうなって思っていたら、やっぱり無事だった。ただ、今回はまだ幼い生き残りの少女ニュートの存在が良くも悪くも前作には無かったキーであり、リプリーは彼女のことを亡き娘の代替的存在として必死で守ろうとする。そんなリプリーと終盤で対峙したのがエイリアンの女王だった。こちらはただの母ではない。すべてのエイリアンの親として絶対神のマザーが最後まで牙を剥く。これには種の存続を賭けた執念すら感じた。あちらからすれば人間こそが侵略に訪れた部外者なのかもしれない。そんな二人の戦いがメインであり、他は前哨戦に過ぎないイメージだった。銃火器を用いた無差別的攻撃、破壊を見てると人間の方が愚かに見えてくるのも不思議だ。軍人達が脳筋すぎて大丈夫かと危惧する。パワフルな女性隊員ジェニット・バスケスがM 56スマートガンを持って戦う姿はカッコイイ。映画自体はとても面白かったが、完全版だとやはりちょっと長すぎた。見るのも疲れてしまうので、もうエイリアンシリーズはいいかなーと思ってしまう。結局序盤のビショップのナイフ芸が一番ドキドキした。
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