二次元と三次元の隔たりは想像以上に大きい。原作・監督・脚本を一人でこなした結果、パワーバランスが狂った超カルト映画になっている。本人がこれを目指してたなら良いのだが、手紙を読んだ後の目眩、首なし死体など重要な見せ場が悉くB級ホラーみたいな出来で勿体ない。しかも原作者自身が作ってるので、下手したら本のイメージも変わるのでは…。
ただフラッシュバック→銃殺→フィードラーが流れる不気味なラストはかなり好み。

登場人物がどれも奇妙に、そしてグロテスクに誇張されており興味深いミステリーではあるものの、やはりメイラーは小説家であって職業監督では無い弱みが出ちゃっている。役者は喋りながら動かないし、舞台装置や空間の使い方も稚拙。

イザベラ・ロッセリーニの使い方はもったいない気がする。ただのいい人である。。。

すっかり忘れていたけど禿げオヤジが出てきて再見だと気が付いた。人物（セリフ）の呆れるほどの軽薄さセックスと暴力、最高のイザベラ・ロッセリーニ。悪夢のなかの現実のような、映画がぐんにゃりと捻じれている。デヴィット・リンチの匂いは確かにする。タランティーノが『トゥルー・ロマンス』のシナリオを書き上げた際に見た映画らしいが、なんとなくそれもわかる。死ぬまでに一度は見ておいた方が良いアメリカ映画だと思う。