戦死して遺体で帰ってきた男が甦りアンクル・サムの格好で独立記念日に殺戮を繰り返す、ややコメディ寄りのホラー。監督と脚本は「マニアック・コップ」でも組んでいたウィリアム・ラスティグとフェイバリットのラリー・コーエン。

劇場公開はされずビデオ発売だったのも関係してか、どことなく安っぽい雰囲気が漂っており殺戮が始まるのは中盤になってから。しかし殺し方はバラエティに富んでおり、まず竹馬に乗るアンクル・サム姿の男を枝切ハサミで殺害＆衣装とお面を盗み、墓場で遊ぶ少年達を生き埋めにしたり国旗の代わりに吊るし上げる。その後も包丁で首切断、コンロに首コンロに頭押しつけ（ここはオフスクリーンですが）、極め付けはロケット花火ごと爆死＆その爆風で吹き飛ばされた警官が串刺しと記念日に相応しい殺戮が続きます。

その後も退役軍人が少年達と大砲を使って男をやっつけようとしたりとアクションもまあまあ迫力有りますがいまいち盛り上がりに欠けるのが残念な所かも。

それはメインキャラ達の結束力が低かった（あるいは反戦的メッセージの具現化不足）のが原因か。主人公ポジションである男の甥にあたる少年は戦争ごっこが大好きで「英雄」だった伯父が大好きなんですが、サイコパス気質（？）でもあった伯父を崇める少年に母親達は手を焼いており、彼女らや退役軍人が考えを改めるように促すのですが最後までいまいち納得してなかった様子。

その伯父も戦争も大好き～な少年を「ならば戦争を体験させてやろう」とエルム街のフレディじゃないですが悪夢の中で戦争の恐ろしさを味わわせ改心させたうえで伯父をやっつける的展開ならもっと良かったかもと考えてしまいました。

退役軍人を演じるのは映画「黒いジャガー」のサントラをヒットさせたR&B界の大御所歌手＆作曲家でもあり役者としては「ニューヨーク1997」に出演したり「サウスパーク」のシェフの声で知られるアイザック・ヘイズ。「アメリカン・グラフィティ」のファラオ団リーダーを演じていたボー・ホプキンスの姿も。

エンドロール前、画面が割れる演出は「地獄の門」ぽいなと思ったら「ルチオに捧ぐ」という表示が。今作の同年に亡くなったルチオ・フルチ監督（フルチ爺）に捧ぐものだったみたいです。

アンクルサムが独立記念日に人を殺しまくる話


国旗の代わりに少年がつるし上げられ、国会議員が花火と一緒に爆発し、生首をBBQで焼く


殺し方がいちいち派手なんだよなーww
主人公の少年の棒演技も癖になるw

• #なりかけゾンビの記録

とんでもないホラーVHSを観た。湾岸戦争をテーマにし軍隊志願兵を呼び掛けるアンクルサムをモチーフに痛々しい殺戮を繰り返すスプラッターの「ザ スカウト」だ！しかもマニアックコップの監督で首は吹っ飛ぶは人間BBQや星条旗串刺しの刑など世にも珍しい手口が繰り広げられる珍ホラーで良かった。