このレビューはネタバレを含みます
アマプラ期限切れ前にのべつ幕なしに見る三本目。ジョージ・A・ロメロに多大なる影響と二本のリメイク作品を後世に残すことになったオリジナルですね。
奇妙なウイルスが蔓延し、人類の殆どが吸血鬼のような生き物に変貌してしまった終末世界で一人サバイブし、吸血鬼が動けない昼間の寝込みを襲って心臓に木の杭を打ち続ける男ボブ。
このロメロゾンビのようにスローモーな動きで群れで襲いかかって来る吸血鬼集団のビジュアルは正にゾンビそのものですが、太陽光やニンニクや鏡を嫌っているので本当に吸血鬼の様な弱点を持っています。また簡単な言葉を発する事が出来るのが大きな違いなのですが、完全に意思疎通出来ないよりも、外観がキモい連中が毎晩自分の家を取り囲んで名前を呼ばれながらドアを木や石でドンドン叩かれる方が精神的にくるかもしれない💦
そんなボブが昼間に生きている人間の女と出会いますが、それは吸血鬼ウイルスに侵されながらも生き延びた新人類のスパイだった。
新人類の集団は3年間もの間仲間を殺し続けるボブこそが社会を破壊する脅威として抹殺を図ろうと小銃で武装した部隊を送り込みますが、抵抗虚しく教会に追い詰められたボブは槍を腹に受けて絶命してしまうというアメリカンニューシネマ的なエンディングです。
最後の人類として吸血鬼と戦っていたはずだったが、彼らからしてみればボブこそが怪物だったという価値観の逆転と主人公の死亡。このノリ、まさに四年後に公開されるナイト・オブ・ザ・リビングデッドがそのまんま受け継いでおります。「ゾンビ米国上映版」のライブラリーミュージックの音色も何となくこの時代の劇伴みたいですね。