ウォーレン・オーツ版の『ジュニア・ボナー』(本作の2年前公開)という印象。
『ジュニア~』はS・ペキンパー監督、S・マックイーン主演の現代版西部劇で、主人公は旅をしながら各地のロデオ大会に出場しますが、本作ではロデオではなく闘鶏。
闘鶏シーンもペキンパーの影響かスローモーションを多用。
製作は低予算の王者ロジャー・コーマンで監督は妙な作品が多いモンテ・ヘルマン。
1974年製作ながら、日本劇場初公開は2013年の作品。
U-NEXTで見つけるまで、こんな映画が存在することも知りませんでした。
闘鶏のことしか頭にない主人公の闘鶏トレーナーがオーツ。
ライバルを演じるのはヘルマン監督の常連でもある我らがハリー・ディーン・スタントン。
以前、闘鶏でスタントンに敗れたオーツは、次に勝つまでは口をきかないと誓いを立てているため回想シーン以外はず~っと無言。ほぼセリフなしで身振り手振りのみ。
はたしてオーツにはまた口がきける日がくるのか・・・
しかしこの作品・・・オーツやスタントンは渋くていいとして。
闘鶏のシーンはエグくて、トレーナーたちの鶏の扱いがそれ以上に残酷。
負けたらその場で息の根を止めポイポイとゴミ箱に捨てられ、闘鶏場のゴミ箱は鶏の死体だらけ。
今なら動物愛護団体だけでなく、さまざまな方面からクレームの山でしょう。
日本公開が遅れたのもそのせいでしょうか。