もちお

牛泥棒のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

牛泥棒(1943年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。
 字幕版です。
 NHKのBSでの放送を録画しました。

 いい映画でした。
 考えさせられる作品でした。

①印象的な点
・集団の暴走
 本作は「とある人物が殺されて牛を盗まれた」との知らせを受けて、犯人探しと私刑の執行を図る人々が描かれます。
 ある3人が疑われるのですが、彼らは「犯人ではない。」と主張します。
 とても嫌な気持ちになる映画でした(誉めています)。
 正義を掲げて暴走する人々が描かれていました。
 イベント感覚で参加している人もいました。
 私刑としての縛り首が実行された後に真相が明らかになる構成が苦かったです。

・自分がその場にいたら……
 本作で縛り首にするかどうか(私刑を執行するのかどうか)について、多数決がとられます。
 この多数決で縛り首に反対する人もいます。
 「私がこの場にいたら、反対できるのだろうか。周囲に押しきられてしまうのではないか。」と考えさせられました。
 怖かったです。

・少佐とその息子
 きつい親子関係でした(誉めています)。

・上映時間が75分と短い
 観やすかったです。
 濃厚な作品でした。

②少し気になったところ
・手紙の件
 最後の手紙の朗読は、少し気になりました。
 家族宛の手紙を主人公カーターが勝手に読み上げるのはどうなのかなと思いました。
 個人的には、妻が受け取った手紙を読む場面を追加していただき、その場面で処刑された方の声で読み上げられるという方が好みです。
 ただ、私刑を執行した人々が戒められる場面を描きたかったのだろうとは思います。

・カーターのかつての恋人ローズ
 ローズ関連の描写が浮いているように感じました。
 犯人捜しの途中でカーターがローズと偶然出会う場面がありますが、「このシーンは必要なのかな。」と疑問でした。

③まとめ
 いい映画でした。
 考えさせられる内容でした。
 観て良かったです。
もちお

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