自動車工場の空撮に始まり、一本道の疾走や車を湖に沈めるシーンなどニュージーランドの土壌を活かして全部本格的にやってるのが好印象。しかし倫理観終わってる人ばかりなのでテンションがずっと異様だった。大喧嘩して泣いてるのに構わず尻を舐めはじめたり(賢者タイム中に妻が別れを切り出す)、着てた服をポストにねじ込んだりと男は如実に狂っていく。

ただあの感じで計画犯罪なのが残念で、ショットガン構えるならエグい殺戮が見たかったし、ラストも派手に一発ぶち込んで終わってほしかったかな…。
あと妻との思い出で最初に出てくるのが墓地での立ちションなわけがないだろ！(次点が出産)

めっちゃ面白い。自動車整備場の中年男性と嫁。不仲から娘と会えなくなった中年男性が発狂していく話。発狂してレーシングカーで公道を爆走する場面がやばいし、よりによって夫の親友とデキる嫁ももっとやばい。地獄みたい。

このハゲ中年がいつ武力行使に及ぶのかなど心配しながら見ることになるのでやたらとサスペンスがある。
家の扉ぶっ壊した次のカットが留置所だったりと語りは滑らか。最高。ドナルドソンの映画、もっと見ていかないと…

いきなり公道をレーシングカーで暴走、デカデカとスマッシュパレスって車に描いてるのに追ってくるパトロールの警察が敷地に入らず去っていくのにびっくりするし、ドアひっぺはがすシーンもイイ！恨みもたれてる警官にハメられ町のチンピラに囲まれてお尻剥き出しリンチ鞭打ちの刑。セックスシーンも裸のシーンもボカシあるけど出産のシーンはノーボカシ。いろいろバランスが変でビビる。夫婦喧嘩の後の惰性のセックスの虚しさや、妻を親友に寝取られてムカついて玄関先で全裸になったりするシーンもいいなぁいいなぁ。ほんと実際こんな男いる。夫婦喧嘩がはじまると自室で空をみながら指をしゃぶりはじめる幼い娘。娘誘拐して山の中のトレーラーのなかで祝う誕生日のシーンもいい。太い蝋燭にあのパイ焼いたのおとーさん？トランプしながら居眠り、いいシーンだらけだ。立て籠りの果ての高笑いも、見るものを生殺しにするような煮え切らなさと寂しさがなんともいえない素晴らしさ。ロジャードナルドソンの初期作品凄いな。