霊幻怪談を配信している動画配信サービス

『霊幻怪談』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

霊幻怪談
動画配信は2025年8月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

霊幻怪談が配信されているサービス一覧

『霊幻怪談』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

霊幻怪談が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM
TSUTAYA DISCAS

『霊幻怪談』に投稿された感想・評価

3.7
一切衆生 救済!

六朝時代から伝わる3つの怪談を映画化した台湾産オムニバスホラー。恐らく『霊幻道士』からパクったのだろう「霊幻」という邦題に恥じない幻想的な雰囲気が素晴らしく、日本の怪談のような弦楽器が鳴り響く六朝時代の世界観をクラシカルな怪談演出(時々シュールコメディ)で魅せる良作オムニバス!

夏頃に見たのだけど、すっかり忘れてたやつ…😅フィルマでは85年製作になっているけれど、IMDbやMUBIでは79年。どっちが正しいのかは謎だし、そもそもネット上に情報が少なすぎてさっぱりわかんない😭

1話目『馬女』
「戦争から帰らない父親を連れ帰ったらあなたと結婚してあげる!」という約束を馬としてしまった美女。でも馬が連れ帰ったのは…。

健気な馬くんはわざわざ精霊になって現れて「さっきの話って本当?」と目を輝かせて確認してくる可愛いやつ!しかも他の男に嫉妬して顔をプイッと横に向けるとことか激カワ!ずっと馬とLOVEな関係を見せつけてくる美女のエロさも見どころ👍

2話目『古寺』
前王朝の子孫を殺す密命を受けた4人の武士が立ち寄った荒れ果てた寺。そこに住む僧侶師弟はどこか怪しい…。しかも奥に「誰か」を隠している様子…。

舐めてたジジイがヤバい奴だった系。密命受けるくらいだから相当な手練れのはずの4人の武士が数でも勝ってるのに爺たちと白熱バトルを展開し始める。後ろ向きの片手間で目ん玉ぶっ刺しをかましてくるお弟子さんの最強具合が凄かった!

3話目『鏡の中の子ども』
子どもの頃に高尚な気持ちで出家したはずなのに、老齢になり守銭奴に堕ちてしまった僧侶。ある日から鏡の中にカエル少年が現れるようになり…。

眉毛の手入れに余念がない僧侶は土地を農民に貸してるのだけど、不作で地代を払えないと泣きついて来た人に対して、優雅にご飯食べながら「知らんがな」と一蹴するクソ坊主っぷりがたまんない!檀家からの依頼にも出張とか無理と断りながらも金を積まれれば速攻で手の平クルーしちゃうという…。そんな坊主がかつての自分と向き合うお話で教訓話的で良かった。
フィルマークス2230件目。
古いアジア作品にしてはちょっと毛色が違う、不思議な印象だったものを記録。


開幕のおどろおどろしい雰囲気は、邦画ホラーにも共通する恐怖感の煽りがあって超いい。
第一話は"苦しむ女"で終わり、第二話は"白い装束の女"で始まる。
第二話は"寺"で終わり、第三話は"寺の鐘"で始まる。
繋がってるようで、繋がってないのか?
と思いつつ、複雑ながら引き込まれた。





ネタバレあり。
基本は、私自身への記録。
間違えて読む人は気を付けて。
読まなくていい、自分宛てだから。














第一話。
馬(小龍という名前)に乗って移動するイン(主人公/女)。
その先に男が二人(野盗?)いる。
男に追われ、馬から下りて逃げるも、捕まって襲われる。押し倒された直後、男の一人が殺害される。インに覆いかぶさる男も、瞬時に殺害される。見るとそこには、インが乗ってた馬の小龍がいるだけだった。
インがお世話になってる(らしい)家の小屋で、インは小龍と話す。行方不明と思われるインのお父さんの事を。
[もし、小龍がお父さんを連れて帰ってくれたら、お前と結婚する。]
その日の夜、小龍は小屋を出て行く。
小龍がいなくて、元気が出ないイン。そしてすぐ、突然インの小屋に男が来て、合体する。という夢を見る。
小龍が、戻る。
小龍の背中には、甲冑を纏う白骨が乗ってる。
持っているお守りと、兜。その特徴から察したその白骨遺体は、インのお父さんらしい。そんな小龍を気味悪がるおじさん。小龍を殺して、インを朱という金持ちに嫁がそうとたくらみ、実行する。小龍は毛皮の絨毯になってしまう。小龍の毛皮を外で干していると、毛皮が暴れて、インを連れ去ってしまう。この瞬間に見える男の顔が、インの小屋に来た男だと分かる。小龍が人間になった時の姿だったらしい。
インのお父さんを連れ帰ったのに小龍は殺されてしまい、インを怨んでる。連れ去ったインを、小龍は繭の中に閉じ込めて木に吊してしまう。誰の手にも届かないように。
そこで、終幕する。
*第一話の感想。
インを探しに来た子供達が、吊された繭を何も言わずただボ~っと眺めながら終幕するのは、ちょっと笑ったw
ちょっとくらい何かしゃべろうよ。
それと、インが可哀相。小龍を大事にしてたし、お嫁にいくなら小龍も一緒が良かったって言ってるくらいなのに。なんなら小龍は、画策したおじさんや、更にインをもらう男を殺害すればいいのに。力も権力も無い女(インの事)を連れ去って繭で封印するなんて酷いわ。人間の言葉や感情まで理解するのに、これじゃただの暴君や独裁者そのもので引く。強い者には逆らわない、他の男と話しただけで女は死刑のインド的な男尊女卑の構図。
ケンシロウの言葉を引用すると、
[テメェのような馬が要るか("居る"じゃない)。]だった。
作品としては、キョンシーやアクションに頼らない。ホラー味も弱い上に、コメディは皆無でほぼ会話。ホラーというより、不思議な空気感。文字通りの"怪談"、ダークファンタジーな印象。お世辞にもエンターテイメントとも、面白い作品とも絶対に言えない。しっかり見せるだけの力は無いのに、流し見だと意味が分からない。
それでもこの第一話は、始まってからずっとなぜか引き込まれた。
私は、数ある中国、香港作品の中でも、この第一話は好きだな。


第二話。
政治、法律の変化があったらしく、4人の男により、荒野で白い装束の女が斬首される。
女を斬首した男4人は寺へたどり着いて、その日の寝泊まりの為そこへ無理矢理に立ち入る。そこには僧侶らしき老人と、和尚様の二人が住んでいた。
[水をよこせ。]
[粥を食わせろ。]
質素ながらも食事を始めた瞬間、男の一人が妖気を感じ、単身で様子を見に席を外す。ある部屋に差し掛かった時、男の後ろに和尚様が静かに立っていた。
僧侶らしき老人とは別にもう一人が寺にいて、その部屋で今、瞑想中。
[人間ではなく、しかも狂っている。]と言う和尚様。男は中を確認したいというが、断られて席に戻る。食事中、お腹の具合いが悪くなったまたもう一人の男が、お手洗いに席を外す。その最中、頭にちょっかいを出されて、逃げた人間を追う。追って追って、追った先で何かが起きる(画面が暗過ぎて、全く分からない)。
お手洗いに行った仲間の戻りが遅くて、残った三人が様子を見に席を立つ。ある部屋を蹴破って一歩踏み入った男が、そのまま倒れる。そこには和尚様がいた。残り二人の男は剣を抜いて、和尚様と戦闘が始まる。和尚様は、棒術で容易に応戦。一人が和尚様を押さえ付けると、もう一人には気味悪いおかしな笑い声が聞こえる。
[(和尚様を)殺せ!]
手に掛けようとしたその時、先程の僧侶が男の目に釘を投げて動きを封じ、残り一人と包丁で応戦。和尚様に駆け寄った僧侶に不意打ちを狙う男。僧侶は見向きもしない姿勢で、飛び道具を打ち込んで男を仕留める。
生き残ったものの、盲目になった男(うっすら見えてるっぽい)は殺すさず、放っておくと言う和尚様。
外に出て、這い擦って野を進む男。
そこで終幕する。
*第二話の感想。
この作品も、目が離せない程に引き込まれた。第一話目よりも幽霊や悪霊を感じさせないのに、ホラー感が上がった。
王朝を口にするという事は、この4人はいわゆる当時の王朝直下の"役人"なのかも知れない。
女といえどその時の罪の重さで処刑されても、私は構わないと思う。ただ冒頭の場面では、たとえ理不尽と思える理由であっても、何をしたかくらいは知りたかったな。
どんな理由であっても、やっぱり理不尽な扱いを受ける女が多いと思われる時代。王朝からの決まりとはいえ、それを行使する役人。中には劇中のように(直接の描写は無い)、女を殺す前にやれる事をやった例は天文学的に絶対ある。そんな力も無い貧民、下級階層の女と、それを少しでも守ろうとした寺。
私には、そんな迫害めいた扱いを受けた女達、力と権力で平伏された僧侶達の恨みが形になったように思う。男達が廃寺だと思った場所は本当に廃寺で、怨念によって男達は殺害されたのか。男が一人殺されなかったのは、男からその惨劇を少しでも世に広めさせて、たくさんの僧侶や女達の魂が残るこの廃寺を守る為に、和尚様は男を放ったのか。
和尚様も僧侶も、怨念を持った霊なのかも知れない。
和尚様が言った[人間ではなく、狂っている。]というのは、とてつもない恨みの念を持った"怨霊"であり、生者の常識全てが全く通用しない者。に、思う。
そんな浅い考察をしてみた。


第三話。
朱という人物と会う準備をする和尚様。準備をしつつ鏡を見ると、いないはずの人間が後ろに立っている。何度もそれが見えてしまう。
話しというのは、その朱という人の母上の祝いの席への招待だった。力を持つ寺。その寺の最高位の和尚様と繋がりがあれば、死後の優遇を得られると思ったのか。
その話しの後、農作に行き詰まった村民が、慈悲を求めて和尚様のところへ来る。村民の目の前で堂々と飯食ってまともに取り合わず、仏様であっても仕方ない的な、テキトーな事を言って追い払う。しかも、ドケチ。
そこへ、新しく仏門に入る男の子が来る。その男の子の言う言葉に、和尚様が仏門に入る決心した遠い昔を思い出す。髪を一剃りした男の子が和尚様を見上げると、和尚様は鏡で見えた顔と重なって衝撃が走る。次に、寺の外での説法に赴く。そこでも、ふと目を向けた先に、鏡で見た顔をした男の子が和尚様を見ていて驚く。
自分のお部屋に戻る和尚様。
鏡が気になる。
あの村民の言葉がよみがえる。
他にも色々。
和尚様は急激に追い詰められて、鏡を破壊する。でも、鏡はちょっと歪むだけ。しかも、あの顔が見える。
[鏡を焼け!妖怪がいる!早くしろ、化け物だ!チクショー!!]
憔悴した和尚様がお部屋に戻ると、自分が入って来た入り口の扉に鏡の男の子が立っていた。物が落下し、壊れ、轟音が鳴り響く。和尚様が倒れてしまい、その鏡の男の子はゆっくり消える。
そこへ弟子が倒れた和尚様に気付き、終幕する。
*第三話の感想。
和尚様が、仏門に入った初心を忘れた戒め。
そこからの後ろめたさに繋がって、極限に行き着いた罰と死。
とでも言うのだろうか。
ごめん和尚様、錯乱した和尚様の言葉に笑ったわwww
第一話に出て来た、朱という名前。しかも、金持ちらしい。
そして、第二話で和尚様が口にする[ナムアミダブツ(カタカナ表記)]。
全三話は全く無関係ではなく、時系列は分からないけど、関わってるみたい。そうなると、第二話の私の考察や感想は、部分的に的外れになる。和尚様が第二話と同じ人なら、結構な破戒僧じゃん。朱って、第一話でのインの嫁ぎ先の名前よね。多分、この男が旦那になるのか。
総合的に、面白い作品だった。
古い作品の中では目新しい感触だったし、"妖怪バトル"でも"復讐拳法"でもない。映像としても悪くないし、これを小説や文庫で読んでも分かり易い作品だったと思う。

やっぱり、この頃の中国作品はいいな。

記録。