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霊幻怪談のhorahukiのレビュー・感想・評価

霊幻怪談(1985年製作の映画)
3.7
一切衆生 救済!

六朝時代から伝わる3つの怪談を映画化した台湾産オムニバスホラー。恐らく『霊幻道士』からパクったのだろう「霊幻」という邦題に恥じない幻想的な雰囲気が素晴らしく、日本の怪談のような弦楽器が鳴り響く六朝時代の世界観をクラシカルな怪談演出(時々シュールコメディ)で魅せる良作オムニバス!

夏頃に見たのだけど、すっかり忘れてたやつ…😅フィルマでは85年製作になっているけれど、IMDbやMUBIでは79年。どっちが正しいのかは謎だし、そもそもネット上に情報が少なすぎてさっぱりわかんない😭

1話目『馬女』
「戦争から帰らない父親を連れ帰ったらあなたと結婚してあげる!」という約束を馬としてしまった美女。でも馬が連れ帰ったのは…。

健気な馬くんはわざわざ精霊になって現れて「さっきの話って本当?」と目を輝かせて確認してくる可愛いやつ!しかも他の男に嫉妬して顔をプイッと横に向けるとことか激カワ!ずっと馬とLOVEな関係を見せつけてくる美女のエロさも見どころ👍

2話目『古寺』
前王朝の子孫を殺す密命を受けた4人の武士が立ち寄った荒れ果てた寺。そこに住む僧侶師弟はどこか怪しい…。しかも奥に「誰か」を隠している様子…。

舐めてたジジイがヤバい奴だった系。密命受けるくらいだから相当な手練れのはずの4人の武士が数でも勝ってるのに爺たちと白熱バトルを展開し始める。後ろ向きの片手間で目ん玉ぶっ刺しをかましてくるお弟子さんの最強具合が凄かった!

3話目『鏡の中の子ども』
子どもの頃に高尚な気持ちで出家したはずなのに、老齢になり守銭奴に堕ちてしまった僧侶。ある日から鏡の中にカエル少年が現れるようになり…。

眉毛の手入れに余念がない僧侶は土地を農民に貸してるのだけど、不作で地代を払えないと泣きついて来た人に対して、優雅にご飯食べながら「知らんがな」と一蹴するクソ坊主っぷりがたまんない!檀家からの依頼にも出張とか無理と断りながらも金を積まれれば速攻で手の平クルーしちゃうという…。そんな坊主がかつての自分と向き合うお話で教訓話的で良かった。
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