1960年代後半から70年代後半にかけての、アメリカン・ニューシネマと称される作品群を中心に、編年体で綴ったドキュメンタリー。多くの人へのインタビューと作品紹介を中心に構成される。しかし、アメリカ映画の変遷のお勉強には、以前観た『アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史』の方がはるかに良質なテキストになると思う。今作は、話がとっちらかってる。ドラッグのこと、拝金主義の映画会社vs監督のことなどが、どれも深い話にならず、上滑りしていく感あり。アメリカ映画の変遷を考えるうえで、取り上げられた年代は大変重要なところにあたるのだろうから、関係者がご存命のうちにと、2003年に製作されたのだろうと推察する(まったく的外れかも)。資料(証言)収集としては価値があるのかもしれないけれど、1本のドキュメンタリー映画としては惜しい(わたしにとっては)。なにを伝えたくて、なぜ制作するのか、考えた方がいい。
シャロン・テートとポランスキーのツーショットあり!