いのさんの映画レビュー・感想・評価

いの

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

前作はお行儀が良い作品だと感じたけど、今作はより野心的になったと感じ、めっっっっちゃうれしくなる。DUNEをやるというのは、きっとこういうことなんだ。全身に砂を浴びせられてウハウハしちゃった。舞台装置>>続きを読む

突撃(1957年製作の映画)

4.2

1957年製作。スタンリー・キューブリック監督作品。このときキューブリックは20代最後。


第一次世界大戦中の西部戦線。フランス軍のはなしだけど全篇にわたって英語なので、あれっこれはイギリス軍のはな
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

全くわかっていませんが、アメリカン・ユートピア大好きになったので、ダンディな爺に駆け寄ってムギューするつもりで劇場に行ったのですが、“あれ?爺じゃないっ!若っ!”ってなりました。いえいえ私は大丈夫です>>続きを読む

激戦ダンケルク(1958年製作の映画)

3.7

ダンケルク漬けの最後は今作を鑑賞。部隊をはぐれた兵士数名が海岸にたどり着くまでが前半、たどり着いてからが後半。その話に、イギリスから海を渡って救出に向かう民間の船主たちの話が並走する。なぜダンケルクな>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.7

今作がタイムラインを席捲していた時には、怖そうだから自分には絶対に無理だと決めつけてしまい、劇場に行くという選択肢を持たなかった作品です。わたしにとっては今が観るタイミングとなりました。


とにかく
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ダンケルク(1964年製作の映画)

3.8

フランスからみたダンケルクの戦い。ベルモンドからみた戦争。部隊からはぐれちゃったベルモンドが兵士や元神父や、避難せず家に留まろうとする女性に出逢ったりしながら、戦争の核心に近づいていく感じ。ベルモンド>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

4.0

銀行強盗、からの逃亡。なにせマックイーンなので強盗も逃亡も失敗する気がしない。失敗するとしたらマックイーン以外の要因、きっと誰かがなにかをやらかすからなんだろうと想像しつつ鑑賞。


サム・ペキンパー
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

⚽たとえ実話に「インスパイア」されただけだとしても、実際に行われたFIFA W杯予選(トンガvs米領サモア)で、どちらが先制点をあげたのか、どういう流れで誰が得点したのか、そこを改変してしまってもよい>>続きを読む

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦(2014年製作の映画)

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米領サモア。2014FIFA W杯予選⚽
公式戦での初勝利成るか?をめぐるドキュメンタリー


⚽サモア独立国と、米領サモアがあることも知らなくてごめんなさい。2001年W杯予選でオーストラリアに0対
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ブルービートル(2023年製作の映画)

3.8


・エンドクレジットに使われた色でもある、紫と青がこの映画の舞台のメインカラーでもあってその色が印象深い

・ラテン系でノリが良い。家族が皆ごきげん♪ 妹ちゃんにはソーラ・バーチ成分が入ってて、おばあ
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

-

1975年の公開当時、過激極まる内容ゆえに「最悪の映画」と酷評され、アメリカ映画史から抹消された映画だとのこと。タランティーノが今作からインスピレーションを受け、それが『Django Unchaine>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

-

クエンティン・タランティーノの才能や魅力や作品の素晴らしさについて、作品ごと時系列に沿って紹介されるドキュメンタリー。これがドキュメンタリー映画として優れているかどうかはわたしにはわからない。けれど、>>続きを読む

(1960年製作の映画)

4.5

1947年にパリの刑務所で実際におきた事件がもとになっているとのこと。同室4人組+新参者1名。計5名での脱獄計画。とにかく無駄のない映画。ほれぼれする。まさにプロフェッショナル。脱獄に関して匠の技を持>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自分で気づいちゃったのですが、長尺がそれほど気にならないのはもしかしたらウトウトしているからなのかもしれません。ちっつぁいハコのミニシアターだと臆するけれど、おっきなハコならだいじょぶ。だって都会じゃ>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

4.3

モノクロの映像。エストニアの寒村。木々に積もっている細やかな雪。窓の外に見える靄。月明り。川の流れに生じる無数の泡。「死者の日」には白い装束を纏った死者たちが光に包まれ向こうからこちらに静かに歩いてく>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

瀬尾まいこの原作を三宅唱監督で映像化♪ 思わず相手の髪の毛ヘンテコに切って大笑いされちゃうくらいうれしい(意味不明) ボヘミアンラプソディーで大笑いはなかったけどま、いっかw


マリンバ(本当にマリ
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.3

まずファーストショットからして目を奪われる。下手から上手に向けて、4本の有刺鉄線が斜めに走る(推定角度5度)。その次の層に山なりの荒野のような風景。その後ろにはポツンポツンと木々がある。その風景のなか>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.8

ウォール街はダム・マネーを無視できるのか?


わたしは2020年を“コロナ初年”と勝手に名付けているのですが、今作は“コロナ初年&その翌年”のお話。実話に基づく映画とのこと。構想10年とか20年とか
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ライカートが教えている学生たちと創作した習作なのかと思いました(そう思っただけできっと勘違い)。字幕にも出てきたけど、OCAC=「オレゴン・カレッジ・オブ・アート&クラフト」が主な舞台。オレゴン州ポー>>続きを読む

メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.7

『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』の著者メアリー・シェリーが傑作を世に生み出すまでの物語。サウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスールの作品ということで、特に終盤は、監督が今>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

4.0

フランケンシュタインは、“怪物”の名前ではなく、生み出した博士の名前・・・φ(..)メモメモ


初鑑賞。風車のなかで、人造人間を造る。その場所がとてもいい。由緒あるお城の塔のよう。高さがあるから、そ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

まずはエマ・ストーンに最大の賛辞を贈りたい。エマ・ストーンはいったいどこまでいくんだろう。彼女は間違いなくフロンティアに立っている。


熱烈ジャンプしてるのに、時々シェスタしちゃったことを正直に申し
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エッセンシャル・キリング(2010年製作の映画)

4.0

殺しが静かにやってくる


ひとりのアラブ人兵士が米軍から逃げまくる。彼に名前はない。セリフもない。叫んだりはするけれど、言葉は発しない。今作がEOへとつながったのだと感じられる。何処から逃げているの
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.3

ロクでもなく全然わかってない監督(失礼)が同じ内容で撮ったとしたら、悲惨極まりないものになっただろうなと思う。でもこれは、いうまでもないことなのかもしれないけど、その真逆をいっている。めっっちゃ攻めて>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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opのスタッフクレジットからして、箱庭というのか押し寿司型というのか、ぎゅうぎゅうに整然と詰まった名前がびっしりと並び、それがなんとも息苦しい。『LOVE』も想起させるようなアパルトマンの窓、その風景>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

-

公開時、興行的には成功しなかったそうだ。でもその後、傑作と高く評価され、現在ではフォード監督の西部劇の代表作となっているらしい。2008年、アメリカ映画協会によって「最も偉大な西部劇映画第1位」に選出>>続きを読む

幌馬車(1950年製作の映画)

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主人公のうちのひとりの名前が「トラヴィス」だということを知り鑑賞。ストーリーも思いのほか(失礼)面白かった。馬商人ふたり(トラヴィスとサンディ)がモルモン教徒およそ60名の幌馬車隊の大移動を護衛する。>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

カラオケ行こ!
に、(おそらくは双方とも)付き合ったことで出逢ったふたり。お互いがお互いをそっと見つめる。控えめに。そっと、相手を見つめずにはいられない。何度も何度も。


やっぱり今作でも不遇が重な
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ジェームズ・ワンとジェームズ・ガンとマイケル・マンがごっちゃになってるカタカナ弱者です。申し訳ございませんっ💦 えーと、この映画の監督はジェームズ・ワン、φ(..)メモメモ


前半、途中から途中まで
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大列車強盗(1903年製作の映画)

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下記の本を読み始めました📗
川本徹『フロンティアをこえて ー ニュー・ウェスタン映画論』、森話社、2023年

まだ読み始めたばかりです。そのなかで史上初の西部劇(が何かは研究者の見解がわかれているそ
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翼に賭ける命(1957年製作の映画)

3.8

ひとりの女性と、3人の男性(スカイダイバー、整備士、新聞記者)とひとりの少年。第一次世界大戦の英雄だった男は、今では曲芸飛行ショーで生計を立てる。その妻ラヴァーンが魅力的で、出逢った誰もが彼女を好きに>>続きを読む

イグジステンズ(1999年製作の映画)

4.0

新作ゲームの発表企画から事件が起きる。没入するのにゴーグルは不要。脊髄に穴を開け、生体ケーブルを挿しこむ。ゲームポッドと人体を直接つないで仮想空間へGO! にゅるにゅる、ぬめぬめ、べとべと、うぇー。骨>>続きを読む

モスキート・コースト(1986年製作の映画)

4.1

序盤に登場する製氷機(ハリソン・フォードが試作用としてつくった小型のもの)に、彼がつけた名が“ファット・ボーイ”。そうか、リトル・ボーイとファット・マンの合体名なのか。これがのちのち、原爆を想起させる>>続きを読む

勇気ある追跡(1969年製作の映画)

4.3

~今年もどうぞよろしくお願いします♪~


 🔫 🐴 🔫



向こう見ずの少女


先に行っちゃったコグバーン&ラビーフを追いかけて、マティが馬に乗ったまま川のなかを突進する。そのとき、コグバーン(
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Bico(2004年製作の映画)

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カウリスマキによるドキュメンタリー。Bicoは、ポルトガル北西端に位置する寒村の地名。村人よりもずっと多い羊や牛も登場する。そしておばあさんが羊毛から糸を紡ぐ。僅か5分の尺でも、そこに生くる人々への愛>>続きを読む

Valimo(2007年製作の映画)

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アキ・カウリスマキの短篇(約4分)
タイトルのValimoは鋳物工場とのこと


『マッチ工場の少女』でも感じたけれど、大きくて無骨な機械を撮るのがカウリスマキはきっとスキ。労働者階級の味方のカウリス
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