いのさんの映画レビュー・感想・評価

いの

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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.8

「偽善」と「善」には違いなんてなく、人から良い人に見えるのは果たしてそれは良い人の「フリ」をしているのかといったらそんなこともなく、もしも良い人に見えるように良い行動をしていたならそれはやっぱり「良い>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

ここまでの進化の過程とか、これからの進化とか(好むと好まざるとにかかわらず)、とても想像力をかきたてられる映画だった。いきものは、環境に適応していかなければ淘汰されてゆくのだから、こういったことを想像>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

-

時期:1560年代
場所:中南米


インカ帝国を滅ぼしたのち、スペインから派遣された一行のうちの分遣隊がアマゾン川を下っていく


「アギーレ」は登場人物の名前だった。クラウス・キンスキーが演じてい
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

4.3

ダルデンヌ兄弟やミシェル・フランコなどと共に『母の聖戦』の共同製作者のなかのひとりとして名を連ねていたことを知ったときから、いつか観たいと思っていたクリスティアン・ムンジウ監督作品。もうすぐ新作『ヨー>>続きを読む

ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン(2018年製作の映画)

3.6

ウクライナの映画業界に少しでも貢献したいという思いから、粉川なつみさんという方が本作の日本配給権を私財を投入して購入、クラウドファンディングで資金を募り、日本語吹替版制作を行い、全国規模での劇場公開に>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

【追記】2029年9月下旬再鑑賞

今度はヘレン(ジョン・ウィックの妻)の妄想を頭から振り払って観ることができましたー!初鑑賞から1週間、心のなかに染み渡らせてましたw 
2度目観たらもっと好きになる
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キラー・スナイパー(2011年製作の映画)

4.5

結局のところ、こういった変態性が自分の好み(の作品)だった。というよりほかない。自分はどういった変態映画が好きなのかがようやくわかってすがすがしい気分。ここに出てくる登場人物のほとんどがクズでアホでア>>続きを読む

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

3.3

ウェス・アンダーソンは18歳の時この映画を観たそうだ。ウェスはこの映画でスクリーン越しにウィレム・デフォーと出会ったという。ウェスはとてもうれしそうに今作のことを語っていた。それは、フリードキンに関す>>続きを読む

怒りのガンマン/銀山の大虐殺(1969年製作の映画)

4.0

キル・ビル再鑑賞から今作に(この映画の主題歌がキル・ビルで使用されていることを知りました。キル・ビルご覧になった方はきっと聴くとすぐにわかります♪)


主題歌聴ければいいかな、くらいの気持ちで鑑賞し
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バスターのバラード(2018年製作の映画)

4.0

再鑑賞。西部劇もマカロニも出会ってから数年。まだまだ浅い理解しかできず、わかっているわけでは決してないのだけれど、どうして惹かれるのかっていうと、それは命が軽いからだと思う(それは理由のうちのひとつに>>続きを読む

ガンマン無頼(1966年製作の映画)

3.6

〈いの鑑賞作品/ただし*は未鑑賞〉
1966年『続・荒野の用心棒』・・・DJANGO
1966年『真昼の用心棒』
1966年『ガンマン無頼』←←ココ
(1967年『キャメロット』*未鑑賞)
1968年
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Dominion: Prequel to the Exorcist(原題)(2005年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

エクソシスト新参者です。フリードキンのエクソシストはおよそ2ヶ月前に初鑑賞したばかり。いったいそのあとに何作のエクソシストが存在するのかも知らず(ずぼらな怠け者です💦)。なんか今作も曰く付きのようだけ>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

1924年の第一次国共合作、1937年7月の盧溝橋事件、1945年の日本の敗戦、その後の国共内戦と中国共産党の勝利、1968年の文化大革命、そしてさらにその11年後。

およそ50年にわたる激動の時代
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

4.3

ミカエル・ニクヴィストさんは、ノオム・ラパス主演の『ミレニアム』3部作で知りました。『ジョン・ウィック』再鑑賞を機に、今作を観てみることに。ミカエル・ニクヴィストさんは今作が遺作となったことを教えてい>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

-

鑑賞した人だれもがそうなるのだろうと思うけど、アナの瞳に釘付けになる。じっと見つめる両の目。純粋無垢といった言葉に押し込めてはならないと思う。澄んだ瞳で、オトナの弱さも脆さも ずる賢さも、多分じっと見>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

-

壁や床からするすると登場、それがシームレスに変化していく。包帯のような紐がするすると自在に変化し、トイレもブタもするすると姿を変えていく。こんな映像表現もあるのかと本当に驚いた。囁くような語り口は、か>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

4.0

時期:1830年
場所:ウェストポイント陸軍士官学校
事件:いくつか起きる殺人事件


次にNetflixに入ったときには観ようと思っていた作品。タイトルの〝ほの蒼き瞳〟がまさにその通りで、ほの蒼さ&
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ: 手彫りの映画、その舞台裏(2022年製作の映画)

4.0

このドキュメンタリーは、鑑賞者へのご褒美というのもあるけど、この映画制作にかかわったスタッフへのプレゼントといった側面もあると思う。全ての職人(スタッフというよりも、職人と言いたい)の匠の技への称賛。>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.2

クリスマスが近づいてきたら。
寒い夜にホットチョコレートを飲みながら観たい作品。


ギレルモ・デル・トロが描くピノッキオ。手作り感がとても優しくて、芯から冷えきってしまったアタシの心を暖めてくれる。
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コペンハーゲン・カウボーイ: ナイトコール・ウィズ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2023年製作の映画)

3.8

ドラマを完走した鑑賞者へのご褒美


プッシャー3部作の続編を作るつもりだったのがこうなっちゃった、とのこと。『コペンハーゲン・カウボーイ』のメイキング&インタヴュー


『オンリー・ゴッド』制作の関
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

どうかこれからもウェスが創りたい作品を創り続けることのできる世界でありますように♪ 

心からそう願わずにはいられません



  :::

「目覚めるために眠りなさい」(だったかな)という台詞はわた
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

第一次世界大戦後、それは第二次世界大戦前、ということでもある。大正デモクラシー期、農村では、普通選挙法成立を望むごく少数の人がいる一方で、帝国在郷軍人会が地方にもしっかりと根を張っている。農婦がいて、>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

3.8

1942年ベルン(スイス)、偉そうな人たちが集まってのパーティ。フランス人の外交官がここから回想するところから始まって、そして最後にまたここに戻ってくる。回想するのは、フランス領北アフリカでのこと。>>続きを読む

時の支配者(1982年製作の映画)

-

名作と名高い『ファンタスティック・プラネット』は映画館でほぼ寝てしまいましたが(2021年のこと)、そんなことで挫けるわたしではありませんの。今作はルネ・ラルー監督と、メビウス(ジローさん)との共同脚>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

-

公開当時、映画館での予告篇に怯えまくって観られなかった作品。その後タイムラインに流れてきてもアタシには無理だと諦めていました。でも、何故か今なら観られるような気がして。マイルズ・テラーもJ・K・シモン>>続きを読む

警部(1978年製作の映画)

3.8

今作に関するわたしのオススメの鑑賞法はただひとつ。できればあらすじも読まずに観て!です。『警部』という邦題なのに警部はいつまで経っても出てこなくて、ジャン=ポール・ベルモンドが主役なのに、どうして邦題>>続きを読む

オー!(1968年製作の映画)

-

(ルパン+カポネ)=(「オー!」=フランシス・オラン)


今作のジャン=ポール・ベルモンドに対するわたしの心の変遷は、概ね以下の通りである。


きゃわっ → きゃわわっ → ドジっ → 臭っ(刑務
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冒険者たち(1967年製作の映画)

4.5

ガンバの映画ではありませんでした


なんかいい。すんごくいい。地上すれすれの低空を駆ける男(アラン・ドロン)。自作のエンジン乗せて地上を駆ける男(リノ・ヴァンチュラ)。そこに現れる女性(ジョアンナ・
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SAND LAND(2023年製作の映画)

3.8

ぜ、ぜ、絶対に怒らないでくださいね!アラレちゃんとドラゴンボールの作者は同じ、両作とも鳥山明氏だということ、ほんの数日前に理解しました💦(もしかしたらそれ以前にも何度も耳にしていてそーなのかって思って>>続きを読む

裸足になって(2022年製作の映画)

3.9

これからもっと世界を魅了することになるであろうリナ・クードリの今を目撃する、っていうだけで観に行くのもアリ! 今作での彼女は、声での台詞がほとんどない分、ダンスで、怒りに満ちた表情で、優しい笑顔で、持>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

全従業員数670名
年間退職者数629名
年間採用者数617名


上記数字だけで、どのような労働環境か おわかりいただけると思う(あまりの数字に自分の目を疑い、後から戻して再確認しました)。働き手確
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私の少女(2014年製作の映画)

4.2

映画館で観て以来の再鑑賞
そうだ そうだった、ペ・ドゥナがペットボトルを手放せない映画だった。観ながら思いだしていく。思い出していくと不安が私の心のほとんどを占拠した。どうしよう


韓国では2014
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.7

もしもマッティ・ペロンパーさんが教室の廊下のいちばん端っこに立ってお酒呑んでたとして、そしてわたしがもう片方の廊下の端っこにいたとしても、決して見逃さない体質になったと思います。その廊下の一番端っこか>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ライアン・ゴズリングをスクリーンで観たいというただそれだけの理由で(でもそのただそれだけの理由、っていうのも結構大事だと思うの)観るの楽しみにしてたのに。観るのにエクスキューズしなければならない状況に>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.0

夏至の日、17時から19時までのクレオ。『冬の旅』との装いの違いに、この作品は本当にアニエス・ヴェルダなのだろうかと最初のうちは驚いた(アニエス・ヴェルダ監督作品を観るのはまだこれで2作品目)


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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

カウリスマキの手にかかると、役者は誰も彼もがカウリスマキ映画の登場人物にちゃんとなるのかしらね(それって当たり前のこと?)。例えば『大人は判ってくれない』のジャン=ピエール・レオー(今作の主役)は、孤>>続きを読む

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