いのさんの映画レビュー・感想・評価

いの

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夏の砂の上(2025年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

特に、髙石あかりさんの佇まいや繊細な演技に惹きつけられました(演者は皆さんうまい)


以下、感想ではなく、ただのイメージです

雨の降らない長崎。失ってしまったあとで。溢れてしまったそのあとで。乾き
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F1®/エフワン(2025年製作の映画)

4.2

すごく面白かった!
ハラハラドキドキも安心してハラハラドキドキできる。安心してウルウルできる。これぞ超大作の醍醐味、みたいなところを思いきり堪能することができました!



以下、勝手な妄想(妄想は自
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国宝(2025年製作の映画)

4.5

たぶんこの映画のすごいところ(のうちのひとつ)は、ほとんどの人が到達しえない景色をみたい(他のなにもかもを犠牲にしても)というその在り様を、役者としての吉沢亮と、吉沢亮演じる喜久雄とに、鑑賞者が重ねて>>続きを読む

ノーバディーズ・ヒーロー(2022年製作の映画)

-

果つない性欲。ご近所でおきたテロは自爆。でも自身のそれは爆発できず。未発だからこそ娼婦への想いを募らせ猪突猛進。それを愛だと妄信したい。おせっかいなのか親切心なのか野次馬根性なのか、とにかくいろんなも>>続きを読む

十字路の夜(1932年製作の映画)

3.6

ひぇ~
このルノワールさん(監督)は、あのルノワールさん(画家)の御子息だったとは! そして、メグレ演じるルノワールさん(主役)は、監督のお兄さんだったとは! 観る前に気づけよって話ですが、今はじめて
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

3.7

メグレは原作によると身長180cm、体重100kgであるらしい。この映画のメグレ警視の風貌もおそらくその原作に近いのだろう。ジェラール・ドパルデューさん演じるメグレ警部がとてもいい。味わい深い。夜にひ>>続きを読む

12人の怒れる男 評決の行方(1997年製作の映画)

4.0

見比べるつもりで観たのに。そのことをすっかり失念し、いつの間にか見入ってしまった。シドニー・ルメットの方を観てからそれほど日が経っておらず、事の成り行きはだいたいわかっているはずなのに。なぜなんだろう>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.3

ロシア版は観たことがあったけど、今作は初鑑賞

面白い! 結末知っていても面白さが減じることはない。観るたびに発見がありそうだけど、名作ってそういうものなのよね、きっと。脚本どれほど練られているのか、
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裏窓(1954年製作の映画)

3.8

面白かった。するすると観られる。隣のアパートで殺人事件あったの?なかったの? 解答という名の人参を目の前にぶら下げられ、最後まで一気に観てしまう。B級ドタバタコメディのような様相もみせはじめたときに(>>続きを読む

アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓(2022年製作の映画)

3.8

これはあとから思ったことですが、脚本&主演も担う監督の想いはなみなみならぬもので、それは十二分に伝わってきました。わたしは、オスマン帝国の支配下にアルメニアがあったことも知らなかったのですが、監督の祖>>続きを読む

深い谷の間に(2025年製作の映画)

3.7

みなさまー、チェスするアニャをここでも観ることができますよー


アニャとマイルズ・テラー。このふたりがこの役を演じてくれてよかったなと心から思う。このふたりだからこそ最後まで信頼してみることができた
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メイデン(2022年製作の映画)

4.1

川のせせらぎ。たくさんの虫の鳴き声、鳥の鳴き声。夜の森。きっと極力台詞をそぎ落としたのだろう。状況説明などなくても、映像が豊穣に物語る。登場人物がセリフで心情を語らないのがいい。この映画を観る者はおそ>>続きを読む

質屋(1964年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

25年前の出来事を男は忘れようはずもなく、頑迷な孤独と絶望を抱えながら生きている。もとは大学教授なのだという 質屋を営む男は、人と対するときにもほとんど口を開かず必要最低限の会話しかしないのだけれど、>>続きを読む

ミニミニ大作戦(1969年製作の映画)

4.1

ミニミニミニによるbigbigbig作戦!成功なるか?

序盤のカメラの位置(地面すれすれのところから立っているマイケル・ケインを撮る)や、沢山の鏡に映るスーツ姿のマイケル・ケインなど、制作陣の遊び心
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リー・ミラー 彼⼥の瞳が映す世界(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

晩年のインタビュー形式という設定が効いている。深い余韻を観る者に残すと思う。その余韻を胸に、映画のはじまりからさいごまでをアタシは心の中でもっかい上映することになる。勇気があって強い意志があってちゃん>>続きを読む

ロルナの祈り(2008年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

身に着けていた衣類をすべて自分ではぎ取ったロルナが、クローディ(ジェレミー・レニエ)に抱きついてそして抱きしめあった意味をわたしは考える。同郷の彼氏とラブラブで、彼と共に生きる夢を描いていたからこそ、>>続きを読む

宝島(2018年製作の映画)

3.6

レジャー・アイランドでのひと夏をめぐるドキュメンタリー。画面(わたしはテレビ画面を通して観ました)に映るひかりは、最初から最後まで理想的な陽光のように思える。映画はずっとあたたかくてパステルに近いよう>>続きを読む

片思い世界(2025年製作の映画)

4.0

広瀬すずさん杉咲花さん清原果耶さん。3人はこのうえなく可愛いし、それぞれが着ているお洋服はALL可愛い。棲んでいるおうちにあるもの全部が愛おしく、あたたかいひかりのもとで全てが優しさに包まれている。彼>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

アポロ11号。宇宙飛行士たちによる月面着陸映像フェイク説を逆手にとったような作品。映画はテンポ良く軽快に始まって楽しい。スカヨハと彼女の部下、ふたりの掛け合いもちょっとした表情も観ていて楽しい。マーケ>>続きを読む

マインクラフト/ザ・ムービー(2025年製作の映画)

3.4

映画館で観られて良かったです。マイクラやったことがなかったら観に行かなかったかもしれないので、わたしにマイクラを推してきて一緒にプレイしてくれた友にも感謝(ヘタレなわたしは、ほぼピースフルモードだった>>続きを読む

ベン・ハー(1959年製作の映画)

4.2

はじめましてのベン・ハー
“1秒たりとも目が離せない” とか “みどころは全部” とかキッパリ言ってみたいけど、序盤ウトウトしてしまったのでそう言えなくて残念! 瓦落下事件以後は起きていたハズ
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

4.2

およそ30年前の作品。ダルデンヌ兄弟は最初っからダルデンヌs監督だったのだと、あらためて強く思う。しんどいテーマと真摯に向き合い ずーっとここまでぶれずにやっていることにわたしは心底敬服する。『トリと>>続きを読む

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.6

はじめましてのピーター・グリーナウェイ。昨年映画館で予告篇をみて以来気になっていた監督です。わたしは調べずに観て、勘違いや思い込みであったとしても調べずに書くのが好きなので勝手気ままにそうさせていただ>>続きを読む

あの歌を憶えている(2023年製作の映画)

4.1

この映画の幕が閉じたそのあとで。辛く大変なことがふたりに訪れることになるだろうかもしれないけれど。でも今はこれでいい。これがいい。これがすごくいい。ふたりの横に居てふたりを見つめるアナ。アナと3人で。>>続きを読む

アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

4.5

裏口から悲劇は起こる


わたしにとってのボブ・ディランのはじまりは、この本と映画だったように思う。近しい友と3人でおうち鑑賞して、そのあとにボブ・ディランのCDをまずは借りてみんなで聴いて、友人Vち
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.2

わたしの感情の動きをスコアであらわすとしたら、ずっと3.8あたりだったのが、終盤入口あたりでの画としての大きな動きのところでスコアがあがり、選挙の決着でまたあがり、教皇名でうぉおってなり、最後にまた上>>続きを読む

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

5.0

今作がドキュメンタリー映画としてすぐれているのかどうか、わたしにはわからない。でも、パレスチナで現在起きている惨状、撮影した(長い期間にわたって撮影し続けた)彼らの勇気や切実な思い。絶望と苛立ちを抱え>>続きを読む

アトラクション -侵略-(2020年製作の映画)

3.0

ユーリー・ボリソフをみたいが為に今作まで観る必要があったのかどうか自問するのは控えたいと思う。今作(初鑑賞)観るために、前作(再鑑賞)の復習もした。この勤勉さを他のことにもいかしていきたいものである>>続きを読む

ツバル(1999年製作の映画)

-

台詞ほぼナシ。ファイト・ヘルマー監督初の長篇映画とのこと。不思議な世界。世界はコントラストに満ちていて、ドニが双眼鏡で覗く外の世界はブルーグレーにブルーホワイトを足したような色。それに対する内なる世界>>続きを読む

ハリーとトント(1974年製作の映画)

4.2

お爺ちゃんハリーと猫🐱トントとのバディ&ロードムービー。これは猫と共に生活していらっしゃる方々のご感想を是非とも拝聴したい映画である。にゃんとも好きにならずにはいられない映画だったけど、猫好きの皆様も>>続きを読む

愛を耕すひと(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ユトランド半島
ちょうど今、ヴィンランドサガs2を細々と観ているところ。辛い話が続くので一気に観られなくて少しずつ。ヴィンランドサガは11世紀のお話で、今作は18世紀の話ではあるけれど、重なる部分もあ
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大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)

3.5

1999年制作の2005年を描いた映画。大量に舞う花粉。治験者として服用する新薬には生殖機能が失われる可能性があるのだという。これは世紀末からみた近未来のお話。でもコロナ以後を生きるわたしには、今より>>続きを読む

(2006年製作の映画)

4.3

地面が激しく揺れるとき、見えなかったものや見ようとしなかったものが見えてくる。地下奥深くからだけでなく、壁からも出てくる。鏡にも映る。鏡は自分の深層心理を映し出すために存在するのかもしれない。赤いワン>>続きを読む

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ティミーによる再現度激ヤバと書いてみたいところだけど、超ど素人ゆえ書くわけにもいかない(再現度が高いのかどうかもちゃんとわかっていないです💦) 困ったねぇ、書けない💦 でもアタシは書く為に観ているワケ>>続きを読む

乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)

3.4

『ザ・バイクライダーズ』からこちらに。たしか、オースティン・バトラーが家でみていたテレビ画面に今作が映っていたような


このパケ写みてこの人物がマーロン・ブランドだと解る方は相当な通だと思う。わたし
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

2005年制作の映画。2001年のあとにスピルバーグが今作をつくるということは、そういうことを言いたいが為なんだろう、そういうことなんだろう、と思いながら観る。ミュンヘン・オリンピックでの衝撃的な事件>>続きを読む