爆裂BOX

タワーブロックの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

タワーブロック(2012年製作の映画)
3.7
取り壊し寸前の老朽化した高層マンションで少年が男二人組に暴行され殺される事件が発生するも、残っていた13人の住人は目撃証言を拒否。1年後、住民達は謎のスナイパーに狙われ…というストーリー。
TSUTAYA独占供給のイギリス産のサスペンス・スリラーです。
スナイパーに狙われた住民達が何とかマンションからの脱出を目指す物語ですが、最後の方まで緊張感あって楽しめました。
ヒロインが一夜の関係もった行きずりの男との朝食楽しんでたらいきなり頭吹っ飛ばされるのを皮切りに次々と各部屋の住人たちが狙撃されていくシーンは一気に日常から非日常へ引っ張り込まれる感じで引き込まれました。あの彼はマンションとも事件とも関係ないのに完全なとばっちりで一番可哀想かも。各部屋の窓辺に立ったら即狙撃される犯人の狙撃技術の高さは驚嘆に値しますね(絶対一人じゃ無理だろと思いますが)
エレベーターシャフト内の階段や非常階段使って移動や脱出しようとしたり、消火ホース使って屋上から脱出しようとしたり必死で策を練るも、狙撃と仕掛けられたトラップで次々犠牲になっていく展開も手に汗握ります。部屋から逃げ出して廊下で揉めたり脱出プラン練ったりするワンシュチエーション物の趣もありますね。子供でも容赦なく死んでいくので、誰が殺されるか予測しづらい展開も緊張感煽ります。
ゴア描写は最初の狙撃で男の顔が吹っ飛んでる所と指が吹っ飛ぶ所くらいか。
ヒロインベッキーは、お顔は微妙だけれど豊満なタンクトップ姿は良かったですね。タンクトップ重ね着してるのは意味不明だけど。1年前の事件で唯一止めようと男達に向って云ってボコボコにされますが、その勝気な性格で諦めずに様々な脱出計画練って皆を助けようとする姿も良かった。
他の登場人物も、老夫婦や別れる寸前のカップル、いつも子供怒鳴り散らしてるシンママ、ネトゲにハマる中学生くらいの息子ダニ―とその母親、孤独で頼りなさげな青年ポールなど皆キャラ立ってます。特に老夫婦は、冷静で意外と腕っぷしが強い夫ネビルと、応急処置の方法知っていて怪我人の手当てする妻と有能でしたね。
用心棒代として住民から金巻きあげて皆から嫌われてる不良カーティスがイイキャラでした。暴力的でイキリ倒してるんだけど、こうなる原因作った仲間二人をボコって強引に葬ったり(その後「俺が悪い。お前たちに罪はない」とか他の住民フォローするようなこと言うのも面白い)何だかんだ皆に協力するのもいい。シンママが子供の後追った後、皆が「子供愛してたんだね…」としんみりしそうなときに「いや、いつも怒鳴ったりひどい扱いしてたろ。愛してないわ。罰が当たったんだ」という所は空気読めてないながらも「確かにな…」と思っちゃいました。最後いきなりベッキーに「アンタは人殺すな」と常識的なこと言いだすのも面白かった。このキャラが引っ掻き回して盛り上げてくれたように思います。演じるジャック・オコンネルは「バイオレンス・レイク」のガキ集団の極悪リーダー演じてた人ですね。こういう役合うな。
犯人の正体はすぐわかりますが、動機が無茶苦茶というか、言ってることは理解できるけどベッキーが言うようにシンママの幼い子供達やダニー等子供達殺した時点で正義じゃないよね。朝来た開発業者の人達殺す所なんかもう無差別殺人鬼ですよ。
最後の戦いもベッキーが容赦なくぶん殴られる所凄かったな。ネイルガン使った倒し方も割とエグイか。生き残る人選はちょっと意外でしたね。
TSUTAYA独占供給の中では面白い作品だと思います。