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造られた殺人のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

造られた殺人(2015年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
意図的に全てうやむやにし蓋を被せた感あり

全篇コメディ調で通すかと思いきや、完全な猟奇バイオレンスでもあり、最終的には社会の虚偽・不条理性を問う映画だったのかなという印象。

いずれにしろすっきりした感の全くない愉快な娯楽作品とはとても言えない内容。




・全てはテレビ局ダメ記者の連続殺人事件誤情報による勘違いスクープから始まり、嘘が次々塗り重ねられることになるが、テレビ局幹部連も視聴者も虚偽には全く気付かず、警察も煙に巻かれるだけ。

・ところがその嘘に唯一気付いた真犯人が、逆に記者のウソを真実のシナリオとして演じ実現化させようとし、罪なき者を殺害し続ける。

・その真犯人と接触しとち狂った考えを知ってしまった記者は一旦はそこから逃げ出し、犯人として指名手配された写真を見て真犯人は別にいると叫ぶが、もはや誰も信じない。

・誤った指名手配犯を自殺に見せかけ殺害することで完全犯罪を成立させようとしている真犯人の意図に気づき、彼の居場所に一人舞い戻る記者だがあろうことか真犯人を殺害してしまい、それを殺されかかっていたところを助けた誤指名手配者に目撃されてしまう。

・さらに、そこには彼の身重の元妻が囚われていた。

・元妻を救い出し病院に担ぎ込み、無事出産と相成ったが、その子は不倫相手の子かもしれないと告白される。

・自分が犯したことをすべて白状しテレビ局を辞めようとするが局長は「真実は視聴者が決めること」と辞表を受理せず、全てをうやむやにしようとする。

・記者も子供のDNA鑑定書を焼き捨て、連続殺人犯の嫌疑がいつ自らに向けられるか怯えながらうやむやのうちに生きようと心に決める。END

と箇条書きで整理すればそんな感じ。実はすべて完全に把握し切れていない部分もあるのだけれども。




主題は何かと考えたらテレビ局・マスコミの虚偽欺瞞性告発ということなのかもしれないが、一つの嘘が回り回って当人の首を締めるという基本的倫理道徳が描かれているとも言えるし、そんな虚偽欺瞞で社会は動いているという不条理性を問うているようにも感じる。

しかし、そんな陳腐な考察はともかくとして、映画としてどうだったか素直に述べるなら尻すぼみの凡作。あんな収束のさせ方になるとは想像できなかったよ・・・

総評二つ星

032008
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