安堵霊タラコフスキー

左利きの女の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

左利きの女(1977年製作の映画)
4.9
ブルーノ・ガンツの訃報を知って真っ先に思い浮かんだのが、実はベルリン天使の詩でも永遠と一日でもなくこの作品だった。

作中写真が出てくることからもわかるように小津作品を意識した映像が特徴的で、静謐かつ美しい映像に一々息を呑んでしまう。

作家が監督した映画なのに話はまるで頭に入らないが(宛らマルグリット・デュラスの映画のよう)初監督で小津やド・オリヴェイラみたく均整の取れ味わい深い映像だけで実に満足度は非常に高い。

こういう映像が悉く絵画的な作品は、優れた絵画作品が何度も拝みたくなるように、それだけで繰り返し見たくなるから良い。