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タタール人の砂漠
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『タタール人の砂漠』に投稿された感想・評価

『人生』の縮図。
ヴァレリオ・ズルリーニ。
原作はディーノ・ブッツァーティに由る同名小説『Il deserto dei Tartari』。
「Tartari」は欧州でのタタール人への恐怖を込めた旧称「タルタル人」に由来し、イタリア語での発音は“タルタリ”となる。
フォローさせて頂いている方がクリップされた事で映画化されている事が分明し、思わず歓声を上げた作品である。

私にとってブッツァーティは幻想文学、マジックリアリズムの人であるが、本作はそれ等ジャンルに該当せず、僻地の要塞へ赴任し、30有余年を送る主人公の姿を通し、運命の悲痛さと時の流れの重さを著した名作である。
映画化にあたり当然乍ら組み換えや翻案も散見されるが、一部エピソードの割愛等、編集面でも工夫されており、年代記に有り勝ちな複数エピソードの乱立による駆け足感は低減されている。
但しアメリングの死の責をマッティ少佐一人に着せ、人生に起こり得る『誰の責任でも無い不幸と引責』の描写を無為とした点、また新たな中尉との邂逅のエピソードやマリアの話を削って『時の流れ』『払った犠牲』の描写を薄めた点、更には原作に無い無駄な会食シーンや隊の反抗、オルティスの最後を盛り込んだ点には個人的に感心しない。

本作の主題に就いては、岩波版の訳者後書きへ寄せられている故・脇功氏の言葉を引用させて頂く。
『この作品の主人公は人生というもの自体である。いかなる職業であれ、ずっと同じ仕事に従事し、そうした意味では閉鎖的な、単調な日々を過ごさざるを得ないのが、大多数の人々の人生である。そして人々はそうした日々に耐えるために、なにか価値ある出来事が起こるのではないかという幻想を、期待を抱き、保ち続ける。しかし、その間にも時は容赦なく流れ去る(タタール人の砂漠,2013)。』
流石と云うべき、短くも本作の全てを表した文章であろう。

尚、本作には巨匠、エンニオ・モリコーネによる劇伴が附されている。
叙情的なその旋律は、脇氏の言う『何かの出来事が起こる事を、待ち続ける人々』を著した本作に、切ない詩情を与えている。
期待値が高過ぎただけに辛口のレビューとなってしまったが、荒涼広漠な礫砂漠の風景が妙に心に残る良作である。
4.3
20世紀イタリア文学を代表するディーノ・ブッツァーティの傑作『タタール人の砂漠』(1940年)を1976年に映画化した作品。俗世間から隔絶された砂漠の砦で「タタール人」を待ち続ける男たちに人生の儚さと夢の残酷さを見る。

これは戦争映画ではありません。主人公ドローゴは自分だと誰もが言いたくなるような思索的かつ普遍的な物語です。

明日には素晴らしいことがあるかもしれないと期待しながら生きるうち月日は驚くほどの早さで平凡にすぎてゆきます。子供のように微睡みながら登場した青年ドローゴのみずみずしさとラストの青白く疲れ切った横顔の対比は鮮烈で、悲しみと同時に決して得られないからこそ甘く匂う夢の余韻も感じました。

オルティス中佐のその後やアングスティーナの口髭など多少の改変はありましたが砦や砂漠のイメージはほぼそのままでした。おかげで読書の記憶を思い出しているのか映画を観ているのか分からなくなるくらい思う存分『タタール人の砂漠』にひたれました。せめて英字幕でもあればもっと深く感動できたろうにと思うと複雑ではあります。

実はクリップしてからどうにこうにも鑑賞したくてたまらず、カリフォルニアの非営利団体が運営するinternet archive で字幕なしで無料公開されていたのを見つけて見切り発車で鑑賞。こんなサイトがあるのも知りませんでした。便利な世の中になったものです。ちなみに米国の法律では合法とのことです。

イタリア語に不案内なため、軍服姿の男たちとウマと砂漠を眺める不思議な2時間になりました。それでもリマスターされた砂漠の映像美とエンリオ・モリコーネ氏による哀愁ただよう甘い旋律のおかげもあって心に沁みました。まだバスティアーノ砦で砂漠を見つめているような気持ちです。分からない言語での鑑賞は現地で見たボリウッドムービーふくめて人生2度目ですがなんでも試してみるものですね。ドローゴじゃないけれど迷っている間にも時は遁走し続けます。

ちなみに脇役にマカロニ・ウェスタンのスター、ジュリアーノ・ジェンマもいて原作にこんな目立つ奴いただろうかと思うくらい熱い男を演じていて印象的でした。

原作も岩波文庫で絶賛販売中なので全面的におすすめします。こちらはありがたいことに日本語で読めます!