わたぼう

ブエノスアイレス 摂氏零度のわたぼうのレビュー・感想・評価

4.0
メイキング・オブ・ブエノスアイレス。こんなのあったなんて知らなかった(知ってたけど忘れてた?)が、Filmarksで本編のレビューを書こうとして発見。

U-NEXTの見放題か、アマプラの有料レンタルで見れます。本編とセットで見るとすごくおもしろい。冒頭はかなりいい。だんだん眠くなるけど…

ウォン・カーウァイ監督の手記とロケ地やメイキングの映像。二人のタンゴ練習シーンなど堪能できる。

レスリー・チャンとトニー・レオンをブエノスアイレスで撮る!それしか決まってない状態で撮影が進んでたり、というか進まなかったり、レスリーがコンサートで香港に帰ってしまう間、何も撮れないから急遽チャン・チェン呼んで撮影したり、かなり破天荒。

俺は香港に帰りたいんだ!なのにアイツのせいで帰れない!鏡にパンチするトニー・レオンは本心からの演技でもあったのか…

最初に撮ろうとしてたストーリーはつまらなそうだった…笑。結局、女優使ったシーンやチャン・チェンの旅のシーンなど、ばっさりカットして、二人に焦点を当てた映画として完成。

本編が98分と短めなのもそのせいなんだろうけど、色んなことが功を奏しまくって傑作に仕上がってる。ウォン・カーウァイの決断が素晴らしい。行き当たりばったりだけどやはり天才だったのね。

今じゃあこんな映画の作り方できないよね。なのでこのメイキングの価値は本編ともども大きい。だいたい頓挫した作品のメイキング映画とかはあるけど、この作品みたいなのは珍しいかも。

ククルクク・パロマの女性(中国?)シンガーver.はレアだった。それもお蔵入りにしてカエターノのオリジナルを採用したのも、男性だけの物語にしたかったからかな。
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