わたぼう

コンパートメントNo.6のわたぼうのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
4.9
2023年見逃シネマ。

2023年に観てたら絶対年間ベストに入れてたほど、好きだった! なかなか見逃していて、もう配信で見ようかと諦めかけてたら、ジャック&ベティでやってくれた。(結構人が入ってたので、みんな待ってたのかも)

前作 『オリ・マキの人生で最も幸せな日』もよかったので、ユホ・クオスマネン監督大好きじゃん…!(名前が覚えにくい…)

モスクワ発の寝台列車でのボーイ・ミーツ・ガール・ロードムービー。

序盤、思ってたよりなんか暗いな…と思ってたのだけど、主人公ラウラが列車の中で出会う炭鉱夫リョーハに大好きな『動くな、死ね、甦れ!』のワレルカみを感じた瞬間(雪で滑ったり、車でどこかに誘ったりのお調子者感)から、この作品の好き度が増してきた。

もうそれからはリョーハとラウラに、ワレルカとガリーヤ(ワレルカの幼馴染の女の子)を重ねて観ていたのだけど、後でパンフを読んで、なんとラウラの恋人役のディナーラ・ドルカーロワは『動くな、死ね、甦れ!』のガリーヤだったと知って、うひゃー!!となった。感じ取った空気感が合致してて感動。

列車の旅でのボーイ・ミーツ・ガール。多くの人が、『ビフォア・サンライズ』的なものを想像するが、いい意味で予想を裏切って、どうなっていくのか、先の展開が読めなかった。

リョーハと老婦人との関係性も想像するとニヤニヤできる。

途中、拗ねてしまうリョーハの気持ちも分かるし、この辺りもワレルカみ満載で、微笑ましかった。

ウォッカ飲みつつ雪のロシア鉄道旅。憧れるけど、もう行けないね。そして、こんな映画はもうできない…🚃🥃



(↓以下ネタバレ)




そして、ラスト。氷点下の2人。荒涼とした海。2人の表情が最高すぎた。ペトログリフは結局見てない? 満潮で洞窟入れなかったとか? もう2人にはそんなことどうでもよかった北の果ての終着地点。

フィンランド旅行でロシアとの国境沿いへ行ったこと思い出した。やはり遠くへの旅はいいよね…
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