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ベン・ハーのkenのネタバレレビュー・内容・結末

ベン・ハー(1959年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

凄い。ガッツリ引き込まれた。諸々で4時間弱だったんだけど一瞬だった。こういう死が隣り合わせにあってヒリついてる昔の映画好き。アカデミー賞総なめするのも納得のスペクタクル映画。今でも通用する、というか今では絶対作れない。

昔の作品だから、背景の海とか空の違和感だったり、シリアスな場面での剣がおもちゃみたいだったりして、一見演劇みたいなんだけど、逆に観客を引き込んで感動させる映画って何が必要なんだろうって考えさせられた。
今の映画は映像技術がめちゃくちゃに発達しているけど、セットのリアルさとか映像の綺麗さとかそんなのは副次的なもんだなって思わされた。やっぱり一番はキャストの表情、そしてその細かいニュアンスをイメージして伝える監督、その細かいニュアンスを理解して表出できるキャストあってこそ。本作のチャールトンヘンストン(ベンハー役)、スティーブンボイド(メッサラ)、あと白馬飼いのおっさん良かった。街の人々の衣装とか、廃れ具合とかすごくリアルだった。
あとは脚本がいい。こんな長作で展開もそれなりに多くて、主題も移り変わっているんだけど、飽きないし、その繋がりがすごくシームレス。
メッサラとの確執→奴隷、そこから抜け出す→母、妹を探す→メッサラへの怒り、馬車戦→それでも消えない怒り→赦すことをキリストから学ぶ。最後はガッツリキリスト教の話絡めてハッピーエンドでよかった。

グラディエーターもそうだけどローマ帝国の残虐横暴ぶりの描かれ方すごい。何も歴史知らないけど嫌いになるレベル。グラディエーターより家族が生きてるって点でハッピーエンドだからベン・ハーの方が好き。

ジャケットにもなってる馬車のシーンは圧巻、スペクタル。このシーンは何年経っても風化しない。最初このジャケットバイクだと思ってた。メッサラ轢かれた時はスカッとした。後続のメッサラ引いたやつ狙ってたね確実に笑 メッサラ馬車輪の棘で攻撃するわ、ベン・ハーに鞭でダイレクトアタックするわの畜生すぎて笑った。
最後家族みんな業病も治って生きてて本当よかった。

船でのアリウス新督とベンハーのオールのリズム上げてく男の仁義なき闘い好き。後に養子にまでなる。「あなたはいつ信仰を捨てたんですか」

白馬のおじさん好き。いいやつ。絶対おもろい。
「妻は神じゃないんだ、一人じゃ足りない。」「妻たちは俺が誰と寝るかを待ってるんだ」っていって出てきたの愛馬なの笑った。
「人間もお前たち(馬)のように善良だったらな。」のシーンしみじみ。キリストが馬小屋で生まれたから?この映画すごく馬を大切にしてる。

途中で映画の中に数分間の間奏が入ってて、当時の観客感味わえたからあえて飛ばさないで見た。

副題「瓦礫を落としただけなのに」
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