なつかし二番館

ベン・ハーのなつかし二番館のレビュー・感想・評価

ベン・ハー(1959年製作の映画)
3.1
この映画の意義
横長になった映画の画面を,遠景を広く写すことにでなく,上下のキレた窮屈なクローズアップとして使うことを実証した。
ガレー船の船内,馬車レースの迫力。
働き次第でローマ市民になれたローマ共和国を描いた。
だめな点。
偏狭なアメリカビューリタニズム。
劇中のユダヤの地に相当するのが当時の西欧であり,ローマに相当するのがアメリカであることに気づかない。
キリストはユダヤ教徒であり,ローマが認めたユダヤの自治権による裁判で死刑判決を受けた。ローマに責任を負わせるのは責任転嫁。
「お前はすでに死んでいる」キリスト像。
キリストはエキストラが演じ,台詞がないだけでなく,顔も写さない。一部とはいえなぜ人々はキリストに期待し,ユダヤ僧が恐れ罪を着せたのか全くわからない。