沢田和美が共同石油にポスターや旭化成の水着キャンペーンに登場して、しばらくして「悪魔の人質」でロマンポルノデビューした時は、かなり驚いた。本作は、2作目で既に外注。沢田和美にウィラード大佐させてる。

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家出した妹（中川みず穂）のヌードグラビアを発見した姉（沢田和美）が、捜索のために単身上京する。「魔性の女の血統」をもつ姉妹の自己実現を描いている、日活ロマンポルノ。AMI企画製作。題名の「凌す」は「けがす」と読む。

主人公姉妹の故郷は、都会の喧騒から離れた場所にある西湖村（現在の富士河口湖町）。母親は男を惑わす魔性の女であり、バイク乗りのチンピラにレイプされた後に、妹を出産。その事実を苦にした妹が、やがて家出する。

単独行動を取っていた主人公が、裏ビデオ業界の青年（山田桂司）の支援を受けながら、妹の足跡を辿っていく。妹は「本能」、姉は「自我」の暗喩として描かれるのだが、母親の血はどちらにも流れているため、ナンダカンダという定番のパターン。

「奔放な女≒自立した女」という方程式を暗示させながら、「その人にとっての、甲斐のある人生とは何か？」を説いている。その人が置かれている生活環境だけで「人間の優劣」を判断するという行為が、どれほど馬鹿げた行為なのかがよく分かる。

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ストーリーが今ひとつだが沢田和美は良い。地獄の黙示録オマージュがちょいちょい出てくるのが謎。