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ゲット スマートのRenのレビュー・感想・評価

ゲット スマート(2008年製作の映画)
3.0
まあまあ。全編ふざけまくりだけど、アクションの画づくりはチープにならないようかなり気合いが入っており、スパイアクションコメディとしてとても良かったと思う。

「M:Iを観た」「007を観た」と言うよりかは「『スパイ・キッズ』を観た」とでも言うべき観後感。真面目になりそうな流れでもすぐにギャグに戻る。近年のM:Iがトム・クルーズの実演主義によってその大味さに説得力を持たせでいるのに対し、今作は徹底してふざけることで「こんなふざけた世界ならこれくらいやるか」と誘導してしまう。コメディは観客を寛容にすることがよく分かる教材だった。

シーンとシーンの繋ぎ、普通の大作なら見せるんじゃない?というところをかなり潔くカットし、面白いところだけを切り取ったような編集。個人的にはこのダイジェスト的なストーリーテリングには、マックス(スティーヴ・カレル)にも99(アン・ハサウェイ)にも感情移入しきれずなんとなく流れていったような、良くないほうの軽さを少なからず感じてしまった。

アクションはそこまで新しいことはやっていないにせよ基本的にどれも面白かった。爆発やカーアクションはしっかりお金かけていることも伝わったし。

一方で、ギャグはノれない部分が多かった。特にアン・ハサウェイに性的なポーズを取らせたりボディタッチしたり、趣味悪いし素直に笑いたくない。スティーヴ・カレルのラストのアレも、子どもなら笑うかもしれないけどそうじゃないでしょ。キスの使い方も少し嫌悪感があった。クレヨンしんちゃんじゃないんだから。

こいつが悪役じゃなかったらエライことだぞと思っていた奴がしっかりそういう奴だったのは明快でむしろ清々しかったし、「悪は必ず成敗される」単純なルールも作品に合っていました。決して無駄にはならなかった110分。

その他、
○ スティーヴ・カレルがたまにアダム・サンドラーに見えた。同監督の『50回目のファースト・キス』のせいでもあるかも。
○ ドウェイン・ジョンソンよりドウェイン・ジョンソンみたいな奴いたぞ。
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