皿鉢小鉢てんりしんり

処刑男爵の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

処刑男爵(1972年製作の映画)
3.7
実際の古城(金持ちが道楽で作っただけで、ほんとは全然歴史は無いらしい)を使ったロケがとにかく素晴らしくて、ゴシックホラーとしては申し分ない。
相変わらず話というか、ロジックはよく分からない(男爵にはお守りが効かないが、男爵が殺した死体にお守りを当てるとなぜか男爵が苦しむ)が、空間や美術が物語る。コーラの自販機を使う男が殺される→その後男爵が観光地化した城を改装する、という展開があるし、やっぱ考えて撮ってんだなぁと……
ブラッドボーンのガスコインみたいな男爵の造形も見事。
城を見上げる主人公たち、からカメラがぐーっと引いてから、そのままワンカットで塔の上の串刺し死体に寄っていく驚愕のカメラワークがある。そんなに潤沢な撮影環境でもなかろうに、ここの絵力に賭けるぜ!というコスト管理の賜物なんだろうなぁ