明石です

ブラディ・キャンプ/皆殺しの森の明石ですのレビュー・感想・評価

4.5
元はインディアンの墓地だったという呪われたキャンプ場を訪れた若者があの手この手で殺されていく話。アラマシだけだと何の変哲もない凡百のスラッシャー映画のようで、監督はなんと『食人族』のルッジェロ・デオダート。私的には実はけっこう好きな映画です。

冒頭からカーペンターのハロウィン風のシンセの音楽とともに幕開け、、作曲者はクラウディオ・シモネッティということで実質ゴブリン。途中から曲調が変わるのでパクリではない、、はず!しかし80年代×スラッシャーという時点でもう十分流行りに乗りまくってるので、今更何をという感はある。それにこういうアップテンポのプログレは、聞いてるうちにジャーロだなあという気がしてくるが不思議ですね。ゴブリンなしにはジャーロを見れない体質にされてしまいそう、、

アメリカの雄大な自然を背景にキャンプとは、コンセプトからして素敵すぎる。南米の奥深くで動物や人間を虐殺しまくった悪趣味映画で親しまれてるデオダード監督、ロケ地のこだわりには並々ならぬものがありそうり何より本作はこの監督自身が楽しそうに撮ってるの映像からが伝わってくる感じがよいのです。そしておそらくは彼の狙い通り、ほとんどの殺人が昼間におこなわれる分(ハロウィンも13禁も夜がメイン)、自然の風景をしっかり堪能できるのも粋なハカライ。

そしてキャンプ場に集まった若者たちがみんな仲良し、、ではなくけっこうギスギスしていて笑、それもいくつかのグループがたまたま顔を合わせた感じなので、それぞれが絶妙に仲悪く、1人ずつ消されていっても誰も気づかない!という設定、逆に新しい気がする笑。そういえばスラッシャーよりもジャーロの方が歴史は古いので、この映画は逆輸入という形になるのかな。最終的に15キルに及ぶ大盤振る舞いはとても楽しく、テンポもいいし音楽も癖になる、景色は素晴らしいしで、なんだかんだ記憶に残る良い映画なのでした。
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