不思議惑星キン・ザ・ザのろーしゃのレビュー・感想・評価

クー！
(カルト的な人気を誇るソ連時代のSF作品。
階級と差別を切り口にしてじわじわと果てなき社会的優位性への渇望を見せられるが、強烈なヘンテコ仕立てによって深刻さは包み隠される。オンボロの宇宙船から砂漠に転がるガラクタ、クー！の仕草まで全て美しくて可笑しいが、同時に現実世界の不条理の表れでもある。その表裏一体加減の絶妙さ。
旅の終わりに誰かと一緒に過ごした時間が最も価値あるものとして描かれているのが興味深い。ソ連時代の共同体意識。)