このレビューはネタバレを含みます
ソ連製ゆるゆるSF映画。
冒頭のスイッチを押すところから、そのシュールさに一気に引き込まれた。謎の宇宙船から謎の2人組が登場、そして謎の挨拶ポーズ「クー!」。
なんだこの映画!すげぇ!
物語も変わらない砂漠の風景で常にシュールを保っている割に全く飽きることなく観れるのが本当に凄い。
登場する小道具も未来感のあるような、ないようなものが多く、ドラえもんの宇宙救命ボートのような飛行船やなんの根拠もない人種識別器、卵型の時空移動加速装置など楽しいモノ盛り沢山。
何よりシュールな世界観を作り上げているのが役者陣のビジュアルと設定。
主人公のマシコフは取り乱す様が一切なく、高価なマッチ棒を容赦なく使っていくかっこよさ。佇まいも超Bクール。
音大生のくせにヴァイオリンを一切引かないゲデヴァンはドジだがどこか憎めない。
そして、キンザザ到着後遭遇する2人の住人。漫画に出てきそうなビジュアルにとても哀愁がある。
理不尽な階級社会、コソ泥の横行、利害がなければ動かない人々、社会の不安定さがシュールな世界観の反面シリアスさも纏っている。また、綺麗な見た目の惑星が強制的にサボテンに変えてしまうあたり、他国を意識して描いているのかなと想像してしまう。
ただのおバカ映画ではないのだなと、考えさせられるシーンが多々。
2017.07.13-
★★