ヤグ

グローリー・ロードのヤグのレビュー・感想・評価

グローリー・ロード(2006年製作の映画)
3.8
『バッドはグッドだと思えば救われる』

【あらすじ】
1961年ウェスタン大のバスケット部のコーチとして招かれたハスキンズは、資金不足から有能な白人選手をスカウト出来ない事に頭を抱えていた。そこでハスキンズは人種差別が激しい地域であるにも関わらず、才能で黒人選手7人を全米各地からスカウトする。ハスキンズの熱心な指導のもとチームは着々と力をつけていくのだが、当然ながら周囲からの風当たりは強く、彼らはさまざまな嫌がらせを耐え忍ばなければならなかった。

【感想】
終盤のバスケの試合は点の入れ合いで、最後の最後まで目が離せず面白かった。スポーツ映画の試合の中ではかなり面白い方だと感じた。
全体的に「タイタンズを忘れない」に似ているストーリーだったが、どうしてもそれに劣ってしまうような印象だった。今作は色々な要素を盛り込もうとして全てが薄っぺらかった。黒人選手一人ずつにフォーカスを当てて苦悩と成長を描くのだが、テンポも早く、苦悩や葛藤もあまり感じずに終わってしまっていた。その他にも親子愛、恋愛、トレーナーとの友情、人種を越えた友情、トレーナーの家族の差別的、人種差別など描かれているが、どれも中途半端だった。特に人種を越えた友情ではチームの白人選手と黒人選手が対立したシーンと仲良くなるシーンが少なく、友情っぽい友情を感じなかった。というよりもっと白人選手にスポットを浴びせて黒人選手と一緒にプレーすることになる白人選手側の苦悩や葛藤、成長も描いて欲しかった。もっと全体的にテーマを絞って深掘りしたらすごい名作になったと思うだけに残念だ。逆に全てが薄っぺらい分、かなり見やすく何も考えなくても楽しめる作品なのは間違いないだろう。

【この映画が好きならオススメの作品】
・タイタンズを忘れない
・42 世界を変えた男
・コーチカーター
・クールランニング
ヤグ

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