ヤグ

マウス・オブ・マッドネスのヤグのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
3.7
【虚構が現実を侵食していく恐怖】

人の倫理は多数決で決まる。
すべてが狂ってしまった世界において狂気こそが正常。

つまり本来の人間らしい正常さは異分子となってしまう。

これがどれほど恐ろしいことか?


ベストホラー作家の書いた小説の出来事が
次々と現実となっていく恐怖を描いた今作。

観客も含め、
人々は虚構と現実が区別できなくなってだんだん狂っていきます😱

あぁ、これが人類の終末なんだろうなって。

最近でもコロナウイルスのデマによって、
トイレットペーパーやマスクの買い占め、転売などがありました。

嘘なのか、現実なのか分からない状況で、
今作と同じように人々はあらゆることに敏感になっています。

コロナ以前では決して正常ではなかったはず。
それが正常になってしまった瞬間です。

もはや世界は虚構に埋め尽くされ、
相互不信と憎悪に支配されようとしてます。

今作を鑑賞したあと、
虚構が現実に侵食されていく恐怖と
今まさにそのような状態だという危機感を感じました。
ヤグ

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