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マルコヴィッチの穴のペインのレビュー・感想・評価

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)
5.0
ポン・ジュノもオールタイムベスト映画の1つに選ぶ90年代末を代表する超傑作カルトムービー。

脚本家チャーリー・カウフマンの処女作にして世界中にその奇才っぷりを知らしめた1作。

『her/世界で一つの彼女』のスパイク・ジョーンズ監督のデビュー作でもあり、彼の的確な演出手腕も遺憾なく発揮されてはいるが、やはりそれ以上にチャーリー・カウフマン映画といった趣が強い←(※スパイク・ジョーンズ自身の味が色濃く出始めたのはカウフマンとのタッグを解消した『かいじゅうたちのいるところ』以降の監督作だと私は思っています)。

とにかく観ている我々は一体どこへ連れていかれるのだ?というようなブッ飛んだ奇天烈な展開、シュールギャグの連発に圧倒される。ものすごくアクは強い作品なのは間違いないが、それでいて同時に万人がしっかりと面白いとも感じる普遍性をも担保している。

丸まった背中が印象的なナヨナヨジョン・キューザック、ボサボサ頭のキャメロン・ディアス、ナイスバディなキャサリン・キーナー、変わらず圧倒的な個性を放つ名優ジョン・マルコヴィッチ…皆、キャリアベスト級の輝きを放っています。

少なからず誰かの潜在意識に入ってみたいというようなことは多くの人が一度は考えたことがあるかもしれないが、それをこうしたエンターテイメントに昇華してみせる発想は本当に見事という他ありません。
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