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サスペンス・スリラーだ。
間違いなく、普通のサスペンス・スリラーである。
だが、この作品は確かスプラッターホラーという触れ込みだったはず。
ジャケットにはそう書いていたし、オープニング前にもわざわざお断り文というか注意書きを入れていたくらいなのだ。
“残酷描写や暴力場面があるから、気をつけてネ”
みたいな。
だから、俄然、私の期待は高まったのだ。
久しぶりにエッグいエッグいやつを観られるかもしれない。
今日はどれだけ私をチビらせてくれるのだろう、と。
だが、しかし・・・・
全くの期待はずれなのであった。
全然エグくないのだ。
1ccたりともチビらなかったのである。
私は鋼の精神を宿す男として有名だ。
そんな私だからこそだと思われるかもしれないが、そうではない。
これは豆腐(絹ごし)の精神を宿す一般庶民でも、十分耐えうる作品なのである。
そう、ホラーとしては全く恐くないのだ!
だが、ふと私は考えた。
物語が面白ければいいぢゃないか。
恐くはないが、面白いホラー映画は数多く存在する。
これがそうでないと誰が言えよう。
私は気を取り直して、スクリーンに意識を傾けたのである。
するとどうだろう!
全然面白くなかったのだ!
これは一体なんたる事か。
由々しき事態だと言わざるを得ない。
さすがの私も精神をへし折られたのである。
犯人役はマイケル・マドセンだ。
有名な俳優さんである。
そんな有名俳優が出演していながら、この有様か。
全くもって、やれやれである。
金返せ!
・・・普段私は、ここまで作品をこき下ろす事はしない。
なぜ、今回はこのようにボロカスに評したのか。
それは、文章の流れがそうせざるを得ない方向に突き進んでいったからである。
ただ、それだけだ。
誉めるべき点や擁護できる点もあるにはある。
ほんの少しだが、あるにはあるのだ。
今回そこはばっさりカットだ。
なぜか?
それを入れてしまうと、私の美文の一貫性がなくなってしまうからだ。
私の美文の芸術性が損なわれてしまうからである。
関係各位及びこの作品のファンの皆様におかれましては、どうか私の美文に免じて、寛大なるお心でお許しいただきたいと思う。
(なんやコイツ)